動物でも植物でもない謎の生命「ランゲオモルフ」
謎の生命「ランゲオモルフ」とは!?動物でも植物でもない先カンブリア紀の深海を支配した“エイリアン”の正体は?
エイリアンというと、最近ではもっぱら宇宙人を指す言葉になっているが、その語源は「違う、別の」という意味のラテン語だ。そういう意味で、先カンブリア時代の奇妙な生物たちは、まさにエイリアンそのものである。とりわけ「エディアカラ生物群」は数少ない先カンブリア時代の化石群の一つであるが、生態はおろか、その構造についても不明な点ばかりだ。動物とも植物ともつかぬ生物もいる。先ごろ、エディアカラ生物群の摩訶不思議な生物の一つである「ランゲオモルフ(Rangeomorphs)」の化石がCTスキャンで解析され、その生態の一端が判明した。科学メディア「New Scientist」などが報じている。
■謎の生物「ランゲオモルフ」
エディアカラ生物群の多くは、とても柔らかい体を持ち、体長は最大で2メートルほどとされている。ランゲオモルフはおよそ5億8千万~5億4千万年前に存在したが、単一の生物を示す名ではなく、当時の深海に生息していた葉のような形状をした生物の総称である。海底から生える海藻のようにも見えるが、実のところ動物なのか植物なのかすらよくわかっていない。多くの先カンブリア紀の生物と同じように、ランゲオモルフもカンブリア紀に大発生した生物群に消されるように絶滅した。

■ランゲオモルフの奇妙すぎる形状
柔らかい組織で構成された生物の化石から、その詳しい構造を知ることは難しい。まず、化石に残ること自体が大変な奇跡であるし、長い年月の間に潰されてしまうことも多いからだ。今回、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの研究者たちは、ナミビアで発見された約10センチメートルのランゲオモルフ(Rangea)の化石をCTスキャンで解析した。
この化石は、潰されて平らにならずに残った貴重な化石で、2013年にも詳細を解説した論文が発表されている。それによると、この生物は中心になる一本の茎からシダのような葉が6方向に付いた形状をしており、全体の形状は現在のスターフルーツの果実に似て、輪切りにすると六芒星のような形をしていたと見られている。

そして今回の三次元解析の結果、シダ状の6つの葉はすべて風船のように膨らんでいた可能性が示された。膨らんだ状態で輪切りにした場合、断面は星型ではなく丸くなるだろうと考えられる。また、中心の茎状の部分には円錐の形をした導管状の構造が確認された。この部分には、他の部分とは異なる堆積物が詰まっていることも判明しており、生物の体を支える原始的な骨格ではないかと見られる。研究者らは、この生物が風船のように膨らむのは栄養を摂取する膜を最大限大きくするためで、膜を介して海中の栄養分を吸収していたのではないかと考えている。

今回の解析でも、残念ながらこの生物が動物だったのか植物だったのかはわからないままだ。だが、今後も条件の良い化石探しは続行され、解析も続けられる。生物が爆発的に多様化したカンブリア紀を迎える前、太古の深海を支配した動物とも植物ともつかぬエイリアンのような不思議な生物たち。その秘密が少しずつ明らかになりつつある。
参考:「New Scientist」、「Disclose.tv」、「Precambrian Research」、ほか
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