老化を防ぎ、健康をもたらす謎多きタンパク質「KLFs」がヤバすぎる! “不老不死”実現に向けて大きな前進か!?
ただ長く生きるのではなく、健康で元気に長生きしたい――。そんな人類の夢に一歩近づくための新たな発見の報がもたらされた。あるタンパク質が体内に豊富にある個体は、そうでない仲間より長寿でしかも健康を保ちながらに長生きできるというのである。英誌「Express」ほか、多くのメディアが報じている。
■長寿と健康の鍵「KLFs」とは?
今回、驚くべき研究を発表したのは、米・ケースウェスタンリザーブ大学の研究チームである。チームが長寿に関わる因子として発表したのは、クルッペル様転写因子(KLFs)という物質である。線虫(Caenorhabditis elegans)で実験したところ、この物質を過剰に発現している線虫は正常なものより長生きで健康なことがわかった。KLFsは哺乳類にも存在するタンパク質なので、人間においても似たような働きが期待できるという。
では、なぜKLFsが老化を防ぎ、長寿と健康をもたらすのだろうか? 研究チームはこの物質は心臓と血管の老化防止に役立っており、それが結果的に長生きにつながると考えている。KLFsは老廃物や異常なタンパク質などを除去するオートファジーという広く生物に存在する仕組みに関わっている。KLFsは血管内の細胞に発現しており、異常なタンパク質が蓄積して血管や心臓が機能低下することを防いでいるとみられる。
心筋梗塞、高血圧など血管に関連した疾患は人間の老化と死に深く関連している。本来、KLFsは老化とともに減少して血管の維持管理機能も低下するのであるが、本研究で示されたように、この物質を過剰に発現させた場合は機能低下が起きない。結果、死につながるような心臓や血管の疾患が発生せず、健康に長生きするのだと考えられる。論文は10月13日付で科学ジャーナル「Nature Communications」に掲載された。
KLFsの詳細なメカニズムはいまだ不明な部分もあるが、将来的には人間への応用も可能であるという。心疾患や脳血管疾患は中高年の死因の多くを占めており、研究が進めば疾病の治療や予防のための新たな薬の開発も期待できる。長生きなだけでなく、いつまでも若く健康でいたい――そんな人類のワガママが叶う日がまた一歩近づいたのだろうか。
参考:「Express」「Sci News」「Nature Communications」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊老化を防ぎ、健康をもたらす謎多きタンパク質「KLFs」がヤバすぎる! “不老不死”実現に向けて大きな前進か!?のページです。健康、不老不死、長寿、タンパク質、吉井いつき、オートファジー、線虫、KLFs、死因などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで