「文殊の知恵」の存在が科学的に立証される! 強い組織と生産性アップを実現する“知られざるヒント”とは?

 単純に頭数を揃えただけで何ら有効に機能しない組織は「烏合の衆」といえるが、その一方で1人では手に余る問題でも複数人で考えれば解決策をひねり出せるという「三人寄れば文殊の知恵」という言葉もある。いずれにしても個々のメンバー適正・能力次第という感じもするのだが、ではサイエンス的には「烏合の衆」か「文殊の知恵」のどちらが好ましいのか。


■“文殊の智恵”があることが科学的に判明

 きわめてカジュアルな酒好きのための憩いの場であるのがイギリスのパブだが、決して少なくない店舗で週に1度程度顧客サービスの一環で行われているものに「パブクイズ」というイベントがあるらしい。つまるところは常連客をメインに行われる酒場でのクイズ大会なのだが、どういうわけか単独では参加できず、客はチームを組んで参加することになるという。クイズに自信のある向きであればわざわざチームを組んで参加するのもまだるっこしく感じるかもしれない。

「文殊の知恵」の存在が科学的に立証される! 強い組織と生産性アップを実現する知られざるヒントとは?の画像1画像は「Wikimedia Commons」より

 しかしながらクイズの出題内容は雑学系や中高レベルの教養、さらには時事ネタや芸能ネタなど多岐にわたり、学業優秀であってもおいそれとカバーしきれない範囲に及ぶということだ。

 では実際のところ、レギュレーションの縛りがないとすればクイズ大会には1人で参加したほうがよいのか、それとも複数人のチームで参加したほうかよいのか、サイエンスがこの問題に切り込んでいる。

 ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究チームが先日、学術ジャーナル「Nature Human Behaviour」で発表した研究では5180人もの人々を対象にした“クイズ大会”で、単独での回答とグループディスカッションをした上での回答にどのような違いがあるのかを探っている。

 出題された“クイズ”は主に雑学的な問題であった。例えばエッフェル塔の高さやエンパイアステートビルのフロア数、あるいは2010年のFIFAワールドカップのゴール数などだ。

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