「文殊の知恵」の存在が科学的に立証される! 強い組織と生産性アップを実現する“知られざるヒント”とは?

「文殊の知恵」の存在が科学的に立証される! 強い組織と生産性アップを実現する知られざるヒントとは?の画像2Daily Mail」の記事より

 まずはそれぞれ単独でクイズに挑戦したのだが、その際には回答に費やすことができる時間は20秒に設定された。その後、5人でチームを組んでもらいクイズ1問につき1分までのディスカッションの時間が設けられた。

 回答データを分析した結果、5人グループでディスカッションした末に導き出した答えのほうが、単独での回答よりも誤答が約半分(49.2%)に減っていることが判明した。例えば200問のクイズ出題で単独参加者の正答が100問だった場合、5人のグループでは150問正答していたのである。

 グループを代表した回答者にどのように回答を決定したのかと質問してみたところ、「私たちは議論を共有し、一緒に推論しました」という返答が多かったということだ。“文殊の知恵”は実際に存在していることがサイエンスの側から立証されることになったのだ。


■グループ内でのディスカッションが“文殊の知恵”を高める

 これまである種の専門家は、金融破綻や危険なカルト的思考につながる群集心理のリスクから、「烏合の衆」にすぎないほかの人には相談しないほうがよいと提案していた。優れた個人による単独の判断のほうがおおむね良い結果を招くと、少なくない専門家は考えていたのだ。

 しかしながら今回の研究は、「烏合の衆」ではない組織内で一緒に働く人々は合理的な答えを導き出すために実は議論と意見を共有していることを示唆している。個人で判断する前に情報をシェアすることが意外にも広く行われているのである。

「これまでの多くの群集心理に関する研究では、社会的影響が形式化につながり、本来の集団のパワーが雲散霧消してしまうため、他者との議論がより良い意思決定を妨げる可能性があることが指摘されていました。しかし驚くべきことに、私たちは社会的影響とグループ内でのディスカッションが実際に“文殊の知恵”を高めることを発見しました。“群集”は賢かったのです」と研究を主導したホアキン・ナバハス博士は語る。

 また興味深いことに、ある判断に関してグループの中にまったく相いれない意見を持つ人物がいた場合でも、ディスカッションの末に最終的には3分の1の確率で合意が形成できるということだ。

「“両極化”は、普段なら互いに話し合うことのないグループを共に揺るがして対話を成立させるので、我々はこの結果が“楽観主義”のタネであることを発見しました」(ホアキン・ナバハス博士)

 より良い“文殊の知恵”をひねり出すには、グループ内にむしろ軋轢を生むような両極端の見解があったほうがよいということになりそうだ。集団の合意形成においても一種の“弁証法”のメカニズムが働いていると言えるのかもしれない。


参考:「Daily Mail」、ほか

文=仲田しんじ

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