本社襲撃のユーチューバーだけではない! 過剰演出で炎上・死亡したユーチューバー4例、“自信過剰”が原因か!
■肥大化した“自己肯定”と“自己顕示欲”で繰り返される悲劇
そして今回、YouTube本社を襲撃したユーチューバーのナジム・アグダム(39歳)は、4つのYouTubeチャンネルを運営する多芸多才の人物であったことは間違いないようだ。
カリフォルニア州在住の同容疑者だが、その動画の内容はワークアウトからボディビル、菜食主義、アニマルライツ(動物の権利保護)など多岐に及び、精力的な動画投稿でチャンネル登録者数と視聴回数の伸ばしていたということだが、実は9カ月前に比べて視聴回数は半減していたという。
この件について最近は父にも不満を述べており、それによればYouTubeの従業員が彼女の動画にフィルターにかけて閲覧を制限していると非難していたという。実際に最近になってYouTubeのポリシーはかなり変わってきており、内容のチェックも厳しくなっていることは事実だ。
不満を募らせていたのは彼女だけではなかったはずだが、アグダム容疑者は“不満の表明”を実行に移し、カリフォルニア州北部・サンブルーノにあるYouTube本社に拳銃を携えて侵入。社内で発砲して3人を負傷させその後すぐに彼女は拳銃自殺を図った。負傷した3人のうち1人は重体だという。
最近では 子どもたちの“なりたい職業”にも名を連ねているユーチューバーが引き起こした殺人未遂事件であるだけに、世に大きな衝撃を与える出来事となった。
アメリカ・シカゴ大学の研究チームがこの2月に心理学系ジャーナル「Psychological Science」で発表した研究では、YouTube動画などの体験型映像コンテンツを介して自らをさらし続けることで、自分の能力に対する“自信過剰”が引き起こされることを指摘している。
アグダム容疑者ばかりでなく、前出の困ったユーチューバーたちからも自信たっぷりの“自己肯定”が感じられてくるのは筆者ばかりではないだろう。肥大化した“自己肯定”と“自己顕示欲”で引き起こされる“悲劇”が繰り返されないことを望むばかりだ。
参考:「Daily Mail」、ほか
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