禁煙に遅すぎることはない! 114歳の最高齢男性が禁煙を決意「吸いたい気持ちは悪魔の仕業」「自分にウソをつきたくない」=南ア

 長寿の秘訣は何かという質問には「いつでも神が私を抱きかかえてくれていらっしゃるからです」と実に謙虚だ。

「日々健康を感じています。体調は良いです。心臓も強いですが、ただ以前のようには歩けなくなりました」とブロムさんは話す。

 ブロムさんはすでに地元では一種の有名人で、市長は時折ブロムさんを表敬訪問し、114歳の誕生日の日には地元のスーパーマーケットと地方自治体が協力してブロムさんに大きなバースデーケーキを贈呈している。いわば地元の“セレブ”なのだ。

禁煙に遅すぎることはない! 114歳の最高齢男性が禁煙を決意「吸いたい気持ちは悪魔の仕業」「自分にウソをつきたくない」=南アの画像3Daily Mail」の記事より


■“悪魔の誘惑”に屈してしまう……

 悪名高いアパルトヘイト(人種隔離政策)の時代を労働者として過ごしたブロムさんはまさに時代の生き証人だ。若くして農業に従事した後は白人が経営するコンクリート壁製造会社で定年まで勤め上げることになった。

 29歳年下の妻、ジャネッタさんによれば、共に生活するようになってからブロムさんはこれまで病院に1度しか行ったことがないという。そして食に関してはまったく好き嫌いがなく何でも食べ、特に野菜をたくさん食べているということだ。実際にはこのあたりに長寿の秘密があるのかもしれない。そして今でもブロムさんは自分の身の回りのことはすべて自分で行っているという。

禁煙に遅すぎることはない! 114歳の最高齢男性が禁煙を決意「吸いたい気持ちは悪魔の仕業」「自分にウソをつきたくない」=南アの画像4BBC」の記事より

 ブロムさんは自身でもまだあと数年は生き永らえると見込んでいて、そのためにも禁煙を意識し始めたようだ。

 以前は朝4時半には起きて1日を始めるのが日課であったということだが、最近はだいぶ起きる時間は遅くなったという。そして手掛ける家事などの作業量もかなり減ってしまった。

「私は何もできなくなってしまった。もはやハシゴにも登れないんだ。その辺で座っているだけだ。だがテレビに流れているナンセンスに付き合っている暇はない」(フレディ・ブロムさん)

 テレビを見ないブロムさんは、日中は家の外のチェアに座って過ごすことが多いという。そして時折、どうしても“悪魔の誘惑”に屈して手巻きタバコに手が伸びてしまうということだが……。はたして114歳の完全禁煙は成功するのだろうか。いずれにしても現役最高齢記録をどんどん更新してもらいたいものである。
(文=仲田しんじ)


参考:「Daily Mail」、「BBC」、ほか

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
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