「北朝鮮の公開処刑は何度も見た」「内臓が飛び散ることも」脱北作家が処刑のリアルを語る! 口に猿ぐつわを嵌めて…(金柱聖インタビュー)

■南北統一の可能性と拉致問題

――現在北朝鮮は、南北首脳会談に臨んだり、アメリカとの非核化協議を進めたりするなど、「態度が軟化して変わった」とも言われています。朝鮮半島に平和が訪れるという期待もあるなか、でもやはり日本人としては拉致問題も気になります。

 金さんご自身は拉致被害者の方と北朝鮮あるいは北朝鮮外でお会いしたことはありますか?

金氏 実は、脱北して韓国に来た後に拉致問題のことを初めて知りました。なので、私は拉致被害者について見たことも聞いたこともありません。それと今後、拉致被害者の方たちがどうなるかも知る術がありません。

 ただ、 多くの拉致被害者の方がすでに高齢のようなので、生存している可能性は低いかもしれません。けれど1つだけ、脱北者が誰であれ、拉致被害者を見たことがあるということは、ほぼあり得ないとだけお伝えしたいと思います。


――では、最後に朝鮮半島は南北統一されると思いますか?

金氏 互いのメリットを考えての利害関係はあると思うので、交流はあるとは思いますし、部分的な協調はあるでしょう。感覚的には統一されると感じますが、理論的に考えるとやっぱり無理なんです。はっきり申し上げますが、統一はされないと思いますよ。

 確かに、金氏が述べるように、北朝鮮と韓国が統一することは、国民の持つ思想や概念の違い、そして経済格差の問題から見ても難しいのが現実だろう。6月12日には、世紀の米朝首脳会談が行われた。ここからまた北朝鮮や世界の動向も変わっていくのだろう。金氏には、これからも脱北者だからこそ知り得る非常にリアルな北朝鮮の姿を語ってもらいたい。また、今も北朝鮮国内で苦しんでいる人々に、少しでも早く平安が訪れることを願わずにはいられないだろう。
(取材・文=白神じゅりこ)

「北朝鮮の公開処刑は何度も見た」「内臓が飛び散ることも」脱北作家が処刑のリアルを語る! 口に猿ぐつわを嵌めて…(金柱聖インタビュー)の画像5撮影=編集部

■プロフィール 金柱聖(キム・ジュソン)
関西生まれ。韓国小説家協会会員。1970年代に朝鮮総連幹部だった祖父母と共に北朝鮮に帰還。同国の師範大学を卒業後、大学講師を経て、朝鮮文学創作社(作家同盟)、国家科学院情報科学通報室などに勤務。2009年に脱北後、韓国サイバー外国語大学日本語学課卒業、北韓大学院大学校社会文化統一修士課程修了。元北韓亡命作家センター事務局長であり、現在は社団法人「学んで分ち合う虹」の理事をしながら、脱北した青少年たちの支援活動、またテレビ、ラジオなどのメディアへ出演も行っている。近年では、日本でも北朝鮮関連のニュースにコメントを寄せるなど、活動の幅を広げている。

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