超絶珍しい「双頭鹿」が発見される! 330年で19例、野生動物の結合双生児を待ち受ける悲しい運命とは!?

 2016年5月、米国ミネソタ州の男性はミシシッピ川近くの森にキノコ狩りに行ったが、希少種のキノコよりもさらに珍しいものを見つけた。藪の中に横たわっているそれは生まれたての子鹿だったが、一つの身体に2つの頭を持っていたのだ。

超絶珍しい「双頭鹿」が発見される! 330年で19例、野生動物の結合双生児を待ち受ける悲しい運命とは!?の画像1ミネソタ州で見つかった鹿の結合双生児 「Live Science」の記事より


■希少な双頭結合児の子鹿

 すでに冷たくなっていたこの子鹿は雌で、全長約60センチメートルの長さの結合した双子だった。その姿はごく自然で、毛並みも整えられていた。

 動物の母親は、分娩後に子どもをなめて呼吸中枢に刺激を与え、最初の排泄を促して、赤ん坊を蘇生しようとする。この子鹿の母親も死産だったわが子の身体をなめて乾かし、蘇生させようと試みたのかもしれない。母鹿の母性本能は非常に強い。

 発見者の男性は、近くのミネソタ州天然資源省に子鹿を運んだが、その後自分が驚くべきものを発見したことを知った。この双頭の子鹿の発見は、雑誌『ザ・アメリカン・ミッドランド・ナチュラリスト』の4月号に掲載され、結合した子鹿がどれほど驚くべき発見かが書かれている。

 結合双生児は羊、牛などの家畜、あるいは猫をはじめとするペットでは割と一般的だが、野生動物ではめったに起きないと言われる。1671年から2006年までの全ての科学文献を調べても、野生動物の結合双生児が見つかったのはわずか19例しかない。

 オジロジカの結合双生児は他に2例が報告されているが、両例ともに双子が子宮内にある間に母親と子どもは死亡した。この子鹿が非常に珍しいのは、世界で初めて母鹿が結合双生児の子鹿を自然出産した例だからだ。

■検査結果

 発見後の子鹿の死体は、ミネソタ州天然資源省で詳細な研究が可能になるまで凍結されていた。

 そして今回、ジョージア州のジョージア大学で鹿の生態を研究しているジノ・ダンジェロ氏と同僚が、双頭の子鹿のコンピュータ断層撮影および磁気共鳴画像スキャンを実施し、完全な剖検を行った。

 ダンジェロ氏は、この双頭の子鹿は非常に珍しく貴重な事例だと強調する。毎年米国では数千万の野生の子鹿が生まれるが、それらの奇形が人間に発見されることはほとんどないからだ。

超絶珍しい「双頭鹿」が発見される! 330年で19例、野生動物の結合双生児を待ち受ける悲しい運命とは!?の画像2スキャンされた結合双生児の小鹿 「Live Science」の記事より

 研究チームは、この結合双生児は2頭とも雌で、1つの身体に脊柱は胸郭で2つに分かれ、2つの首と2つの頭を持っていることを確認した。

 この子鹿の肺を水槽に入れると、まっすぐに沈んだ。それが意味するのは子鹿は一度も呼吸していないこと、すなわち死産であった。

 子鹿には2つの別々の胃腸管があったが、1つだけが肛門まで完全に接続されていた。彼らはまた1つの心膜嚢の内側に2つの別々の心臓を持ち、および余分な脾臓も有していた。そして1つの奇形化した肝臓を共有していた。

 この解剖結果が指し示すのは、悲しいことだが彼らは生存できない運命を持って、この世に産み落とされたということだ。

 人間の双頭結合児や牛、羊、猫の双頭結合児は、ニュースで見ることも多い。しかし野生動物の場合、このような双頭結合は人知れず死んでいく、もしくは死産になってしまうのだろう。この双頭結合の子鹿は現在、ミネソタ州セントポールにあるミネソタ州の天然資源省本部に展示されている。


参考:「Science Alert」、「Live Science」、ほか

文=三橋ココ

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