視覚異常を抱えながら名作を描いた画家3選! “違う世界が見えていた”からこそ生まれた至高の芸術に打ちのめされる!

視覚異常を抱えながら名作を描いた画家3選! 違う世界が見えていたからこそ生まれた至高の芸術に打ちのめされる!の画像1画像は「Big Think」より引用

 画家にとって目は重要な道具の1つだ。描く対象を見るためにも、描いているカンバスからフィードバックを得るためにも欠かせない。そのため、目の異常が絵画に及ぼす影響は計り知れないほど大きい。だが、歴史に残るような画家たちの中には目に異常をかかえながら、作品を描き続けてきた人々が存在するのだ。意識高い系ニュースサイト「Big Think」(6月25日付)から、目に異常を抱えていた3人の天才画家を紹介しよう。


■エル・グレコ

視覚異常を抱えながら名作を描いた画家3選! 違う世界が見えていたからこそ生まれた至高の芸術に打ちのめされる!の画像2手が引き伸ばされている「Big Think」より引用

 スペインで活躍したギリシア出身の画家エル・グレコ(1541~1614)は、マニエリスム後期の巨匠として知られている。そんなグレコの絵画には、体の一部が長く引き伸ばされた人物が描かれることがある。1913年、眼科医のゲルマン・ベリテンスは、乱視がその原因であると主張した。乱視は角膜や水晶体が歪むことで光の屈折がずれ、焦点が合わなくなる目の屈折異常だ。

 ベリテンスは特殊なレンズを開発し、グレコの乱視を再現することにも成功したという。しかし、この仮説には問題点があると指摘されている。というのも、乱視の影響は描かれる人物だけでなく、それが描かれているカンバスにも及ぶからだ。たとえ乱視のせいで人物の体が長く見えたとしても、それはカンバスの上では相殺されてしまうそうだ。

 さらに大きな問題は、乱視では焦点の合わない曖昧な像が見えるはずだが、グレコの絵画にそのような影響は見られないことだ。するとグレコはあえて体の一部を長く描く手法を取ったということになるかもしれない。しかし、グレコが乱視だったとすれば、彼の特徴的な絵は目の異常が生んだと言えるだろう。


■クロード・モネ

 印象派を代表するフランスの画家クロード・モネ(1840~1926)は白内障を患っていたことが知られている。水晶体が白色や茶褐色ににごってしまう白内障は見えるものの色を変えてしまう。画家にとっては致命的な病気だ。

 モネは1912年に白内障と診断され、手術をすすめられたが、これを拒絶。その後の症状の進行具合は彼が描いた絵画からもうかがい知ることができる。

視覚異常を抱えながら名作を描いた画家3選! 違う世界が見えていたからこそ生まれた至高の芸術に打ちのめされる!の画像3『ジヴェルニーの日本の橋と睡蓮の池』(1899)「Big Think」より引用
視覚異常を抱えながら名作を描いた画家3選! 違う世界が見えていたからこそ生まれた至高の芸術に打ちのめされる!の画像4『日本の橋』(1922)「Big Think」より引用

 白内障と診断される以前、1899年に描かれた『ジヴェルニーの日本の橋と睡蓮の池』では、多彩な色が使われ、細部まで綿密に描かれているが、白内障の診断から10年後、1922年に描かれた『日本の橋』では、色彩はほぼ茶褐色に限定され、まるで抽象表現主義の絵画のように描かれているものが判然としない。

 モネが白内障の手術を拒絶したのは、手術による色の知覚の変化を恐れたためだったが、この頃には、白内障が彼の画家としての能力を奪っていると危機感を覚えていたようだ。1923年には遂に白内障の手術を受け、視力は回復したが、術後2年は世界が黄色く見えたり、青く見えたりしたという。

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