【オウム全員死刑執行】残党による恐怖の「報復テロパターン」3つの可能性を研究家が緊急寄稿! ロシアの残党が動く危険性は?

【オウム全員死刑執行】残党による恐怖の「報復テロパターン」3つの可能性を研究家が緊急寄稿! ロシアの残党が動く危険性は?の画像1画像は「ANNnewsCH」より引用


――軍事研究家・塩原逸郎が緊急寄稿!

 平成最後の夏の7月6日、雲が垂れ込める陰鬱な朝、オウム真理教教祖、麻原彰晃の死刑が東京拘置所で執行された。平成を揺るがしたオウム事件の首謀者の人生は、平成最後の年に終わりを迎える事となった。同日、日本各地の拘置所でも、事前に移送されていたオウム事件に関する死刑囚6名への刑執行が一斉に行われた。そしておよそ3週間後の7月26日には、残る6名への死刑執行がなされ、オウム事件に関する13名全ての死刑囚への刑の執行が完了した。

 これでオウム事件は幕を閉じたのだろうか?筆者の見立てはそうではない。むしろ、オウム残党が麻原をはじめとする元死刑囚を「殉教者」と見なし、テロ行為に及ぶ可能性が高いと分析する。

 日本国内における、アレフをはじめとするオウム残党の数は今の段階で1600名を超え、資産規模は11億円にも達する。組織的なテロ活動が十分可能な勢力・資金を維持しているのが現状だ。かつ、彼らはオウム事件以後も麻原彰晃への信仰心を捨てていない。これは、公安調査庁が立ち入り調査を実施した際、オウム残党施設内の祭壇に麻原彰晃の写真があったことから読み解くことが可能だ。


●ドローンを利用したテロ

 オウム事件から20年が経過し、テロに使用可能な民生技術は格段に進歩した。筆者は、特にドローンを使用したテロに警戒を呼びかけたい。民生用ドローンに爆発物を搭載した「空爆」は、ISISが既に実行している。警察や自衛隊関連施設、そして霞が関や永田町といった日本の中枢に、ドローンによる組織的な「空爆」が行われる可能性は十分に存在する。そして、こうした攻撃を防ぐ有効な手段は未だ確立されていない。

【オウム全員死刑執行】残党による恐怖の「報復テロパターン」3つの可能性を研究家が緊急寄稿! ロシアの残党が動く危険性は?の画像2画像は「ANNnewsCH」より引用

●通り魔的なテロの恐怖

 オウム残党には、内部対立によりアレフとは距離を置きつつも、麻原への信仰心を抱き続けている者も存在する。通称「山田らの集団」等がその代表例だ。彼らは主流派と異なり組織力と資金力は無い。それゆえ、筆者は雑踏に自動車で突っ込む、通り魔的に刃物で切りつけるといったホームグロウンテロへの警戒を呼びかけたい。欧州では、ISISに感化された人間によるそうしたテロが頻発しており、重武装をした警官が動員されるなど各国が対応を迫られている。日本も決して他人事ではいられないのである。

●ロシアのオウム残党によるテロ

 更に問題なのが、ロシアのオウム残党が武装闘争を仕掛ける可能性である。2017年現在、ロシアには450名超のオウム残党が存在しており、2000年7月には、麻原奪還を目指し日本で爆破テロを計画していたロシア人信者が武器の不法所持で逮捕される「シガチョフ事件」が発生している。現在、ロシア当局はオウム真理教をテロ組織と認定し取り締まりを強化、ロシア人信者の不満は鬱積している。そんな中での麻原死刑執行は、パンドラの箱を開けたに等しい。日本国内で、ロシア人オウム残党が爆破テロ、銃乱射、中央省庁や警察・自衛隊施設への襲撃を仕掛けたとしても全く不思議ではない。

 麻原をはじめとする死刑囚13名全員への刑執行でオウム事件は終わったわけではない。むしろこれから、残党による日本社会への苛烈な報復が始まるのである。

文=塩原逸郎

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