カリスマ連続殺人鬼チャールズ・マンソンの遺灰で描いた絵で怪現象!? 最凶カルト集団教祖の“威光”に揺れる米国
2017年11月、アメリカで悪名高きカルト教祖チャールズ・マンソンが死に、その遺体をめぐって親族や支援者が争奪戦を繰り広げた。今年3月には裁判も終わり、この騒動はとりあえず一段落ついたのだが、現在、マンソンの遺灰を使って描かれた絵が「超常現象を呼ぶ」と話題になっている。
■遺体をめぐる争奪戦
古今東西、生前に強烈なカリスマを発揮した人物の遺体の行方は注目の的となるものだ。派手な葬儀を執り行って壮麗な墓に葬るにしろ、遺体そのものを保管して展示するにしろ、まず必要なのは“遺体”だ。偉大な人物であればあるほど、遺産や後継者の座を狙って、あるいはただ死者の尊厳を守りたいと願う一心で、親族から支援者まで多くの人が遺体を奪い合う。これは宗教でも政治でもあまり変わらない。
その強烈な一例が、昨年から今年にかけて全米を騒がせたチャールズ・マンソンの遺体をめぐる騒動だろう。2017年11月19日、米国カリフォルニア州カーン郡の刑務所で死んだマンソンの遺体の所有権を孫、息子二人、遺言状に指定された支援者の4組が主張、裁判となった。
■チャールズ・マンソンとは?
マンソンは1960~70年代のアメリカ・カリフォルニア州で、「ファミリー」と共に5人を殺害したカルト集団の指導者である。ヒッピー文化花盛りの頃、長髪とヒゲを生やしていかにもな風貌のマンソンは、巧みな話術にギター、そしてLSDとセックスの力でたちまち女性たちを虜にした。さらにその女性たちを使って男性信者も増やし、自分を中心とした共同体を作り上げた。
だがマンソンは、ビートルズの楽曲「へルター・スケルター」をハルマゲドンの予言と思い込むようになる。来るべき破滅の日に備えるべく信者たちと行動を開始し、やがて警告のための殺人を起こさなければならないと考えるようになったマンソンは、信者らに残忍な殺人事件の実行を命じた。最も有名な事件は1969年8月9日のシャロン・テート殺害事件だろう。彼女は当時妊娠中で、「子供だけでも助けて」と哀願したというが、それに逆上したマンソンの信者たちに無残にも刺殺された。
マンソンとファミリー20人以上が逮捕され、1972年、マンソンはシャロンを含む9人の殺人で有罪となり、死刑判決を受けた。しかし死刑制の廃止により、マンソンの刑は終身刑へと変更され、2017年に死亡するまでカリフォルニア州の刑務所に収監されることとなった。
カリスマ犯罪者として脚光を浴びたマンソンは刑務所からも多くの話題を振りまいた。多くのプリズングルーピーと交流し、マスコミのインタビューを受けたり、20代の美女と獄中結婚しようとしたり、彼の動向は獄中でもなお注目の的となった。なお、獄中結婚については、相手の女性がマンソンの遺体を保存・展示して一儲けしようとしていたと判明し、破談となるという強烈なオチまでついている(詳しくはこちら)。
■マンソンの遺体の行方
米誌「Rolling Stone」によると、マンソンの死後、遺体の所有権を主張したのは4名とされる。一人は最初の妻との息子(1993年に自殺)の子ジェイソン・フリーマン、「ファミリー」の女性との間に生まれたマイケル・ブルンナー、刑務所のマンソンと30年以上に渡って交流して裁判費用や身の回りの品々などの支援を行っていたほか、2002年の遺言書で相続人に指名されていたマイケル・チャネルズ、そしてマンソンの息子とされ、2017年の遺言書で相続人とされたマシュー・ロバート・レンツである。
このうち、レンツ以外の3人が遺体の所有権をめぐって裁判を起こした。そして、今年3月、カリフォルニア州カーン郡の裁判所は、孫のフリーマンにマンソンの遺体を引き渡すことを決めた。敬虔なクリスチャンという彼は祖父の死を自分たち家族の問題と主張しており、当局が求める火葬にも同意していた。マンソンの死からすでに4カ月以上経過していた。
2018年3月17日、カリフォルニア州ポータービルの葬儀場でマンソンの葬儀が執り行われた。出席者は家族など30人ほどだったといい、マンソンの遺体は火葬された後、遺灰は近くの森を流れる小川にまかれた。あいにくこの日は風が強く、遺灰は風に吹かれて参列者たちに降りかかったという。
こうして、マンソンの遺体をめぐる争いは決着した。だが、話はまだ終わってはいなかった。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊カリスマ連続殺人鬼チャールズ・マンソンの遺灰で描いた絵で怪現象!? 最凶カルト集団教祖の“威光”に揺れる米国のページです。チャールズ・マンソン、カルト、米国、絵画、遺体、遺灰などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで