南極で検出された幽霊粒子の“発生源”を特定! 40億光年彼方の「TXS 0506+056」1カ所からやってきている!?
■ニュートリノはすべてこの1カ所から来ている
地球からTXS 0506+056を見ると平べったく見えるのだが、ブラックホールの極領域から噴出するジェットストリームの1つが、正確に地球に向けられているのである。したがってエネルギーの高低にバラつきはあれど、数多くのニュートリノがこの地球を通過していることにもなる。
「興味深いことに、天体物理学のコミュニティではブレーザーが宇宙線の起源である可能性は低いという一般的な合意がありました。しかし、我々の研究はひとつの結論に至りました。発生源はブレーザーです」とアイスキューブの研究員であるフランシス・ハルゼン氏は話す。
アイスキューブの研究によれば、2014年終盤から2015年前半にかけて観測されたニュートリノの発生源もすべてこのTXS 0506+056であるという。ということは地球に飛来するニュートリノはすべてこの1カ所から来ているのかもしれない。
今回の発表は、NASAの衛星軌道上にあるフェルミガンマ線宇宙望遠鏡と、カナリア諸島にある2台の大気チェレンコフ望遠鏡から構成される観測施設「MAGIC」の双方からも支持されている。昨年9月の観測当日、2カ所の観測施設によりTXS 0506+056に高エネルギーガンマ線活動を示す輝きが確認されたのである。またほかの7つの観測所では電波スペクトルが観測されたという。
「すべての糸はつながりました。我々のニュートリノ観測は独立したものですが、ほかの観測所の観測データと合わせて、このブレーザーが非常に活力の高いニュートリノ、ひいては高エネルギー宇宙線の発生源であるということが強い説得力を持ちます」と研究チームのアルプレヒト・カール氏は語る。
ということは今回の研究結果は、天文学上の謎である「ガンマ線バースト」のメカニズムの解明に影響を及ぼすものになるかもしれない。我々の宇宙の理解が一歩前進したのだとすれば、喜ばしい限りである。
参考:「Science Alert」、ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊南極で検出された幽霊粒子の“発生源”を特定! 40億光年彼方の「TXS 0506+056」1カ所からやってきている!?のページです。NASA、ダークマター、仲田しんじ、南極、ニュートリノ、アイスキューブ、ブレーザーなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで