海洋汚染の真犯人はプラスチック製ストローではなく“タバコの吸殻”だった! 喫煙者の罪がまた一つ「フィルター全面禁止しろ」
スターバックスやすかいらーくグループなどで相次ぎプラスチック製ストローを廃止する動きが出ており、プラ製ストローが海洋汚染の“主犯格”として悪人扱いされているが、そこへ“待った”がかかった!? 実際のところ最も海を汚しているのはタバコのフィルターだという主張が持ち上がっている。
■海洋汚染の“真犯人”はタバコのフィルター
レジ袋やペットボトルなど、これまでにも海のプラスチック汚染の主犯格と目されてきた使い捨てのプラ製品があるが、いま世界的に最も悪者扱いされているのがプラ製ストローだ。
あるアメリカの調査では、国内で1日に5億本のプラ製ストローが使用されているといわれ、71%の海鳥と30%のウミガメの体内に何らかのプラスチック片が取り込まれているという。プラスチック片を飲み込むなどした海洋生物は致死率が50%まで上がり得るとのこと。海洋の環境破壊が深刻な状況を迎えていることは間違いない。
プラ製ストローの投棄が海洋汚染の主な原因であることは間違いないのだが、最新の研究では“真犯人”はタバコのフィルターであることが報告されている。プラ製ストローは広く老若男女に使われているために目立ちやすいが、その裏で、実はタバコのポイ捨てが海洋汚染の最大の原因であったのだ。
プラ製のストロー同様、タバコも決められた所に捨てられる限りにおいては海洋を汚すことはないが、タバコの吸殻は心無い一部の喫煙者によって無造作にポイ捨てされるケースが多すぎる。こうした吸殻が下水を流れ河川を下り、あるいは風に飛ばされて海洋に行き着く。こうしてフィルターに使われているセルロースアセテートなどの繊維素系プラスチックが大量に海に投棄されることになる。これらの繊維素系プラスチックが生分解するには10年の時が必要だという。
タバコの吸殻による環境汚染に取り組むプロジェクト「Cigarette Butt Pollution Project」の調査によれば、世界で毎年5兆6000億本ものフィルターつき紙巻きタバコが生産されており、そのうちの3分の2が不適切なかたちで環境に投棄されているという。そしてこの32年間、世界のビーチで回収される最も多いゴミがタバコの吸殻なのだ。1986年から6000万本以上の吸殻がビーチで回収されているということだ。
■フィルターつき紙巻きタバコの製造販売禁止は実現する
同プロジェクトの創設者で公衆衛生が専門のトーマス・ノボトニー教授によれば、紙巻きタバコのフィルターは決してタバコの害を減少させるためにあるのではなく、より手軽に吸いやすくするためにつけられているという。確かに口紅をつけた女性でもフィルターつきのタバコは吸いやすいだろう。こうして本数がかさむことになり、タバコの消費が増えることになるのだ。
タバコ会社にはこれまでも生分解性フィルターの開発と適用が幾度となく求められ、また携帯灰皿の配布を要求されてきたが、こうした取り組みは一部の企業にとどまっている。
両切りタバコやパイプ用の刻みタバコであればすぐに生分解され環境へのダメージは少ないが、結局のところ喫煙者の大多数の支持を得ているのがフィルターつき紙巻きタバコである。
それでもノボトニー教授は今後もフィルターつき紙巻きタバコを禁止する法律の制定を求めていくことを明言している。こうしたキャンペーンは今までは難しかったが、昨今の世界的なタバコをめぐる規制の強化が追い風になっているということだ。
オルタナティブ系オンラインメディア「Disclose.tv」の記事では、アメリカ・シアトルをはじめとするいくつかの都市や外食チェーンがプラ製ストローの廃止を決定しているように、最終的にはフィルターつき紙巻きタバコの製造販売の禁止がおそらくは実現するだろうと記している。
タバコのフィルターが海洋汚染の“真犯人”だとすれば、タバコと喫煙者に対する逆風はますます強まりそうだ。もちろん吸殻をポイ捨てさえしなければ環境へのダメージはないのだから、今後さらに喫煙者のマナーに対し厳しい目が向けられるだろう。
参考:「Disclose.tv」、「Yahoo! Finace」ほか
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2024.10.02 20:00心霊海洋汚染の真犯人はプラスチック製ストローではなく“タバコの吸殻”だった! 喫煙者の罪がまた一つ「フィルター全面禁止しろ」のページです。タバコ、仲田しんじ、マイクロプラスチック、環境破壊、煙草、フィルター、吸殻、海洋汚染などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで