国際宇宙ステーションの穴から空気が漏れる異常事態!「何者かがドリルで故意に開けた」ロシアの主張とは?
先月末、国際宇宙ステーション(ISS)で空気漏れが発生し、内部の気圧が下がる事故があった。乗組員の適切な対処で大事には至らなかったものの、ロシアの国営宇宙開発企業が「穴は故意に開けられた」との見方を主張し、大きな波紋が広がっている。今月4日付のAFP通信ほか多数メディアが報じている。
問題の事故が起きたのは先月29日のこと。地上の管制センターがISS内の気圧低下を感知、乗組員らが穴の空いている場所を探したところ、ISSに接続されたロシアの宇宙船ソユーズMS-09に直径2mmほどの穴が開いているのが見つかった。乗組員はとりあえず親指で穴を塞ぎ、その後ダクトテープやパテを使って修理を行った。NASAの発表によれば、現在のところISS内の気圧は安定しており、乗組員らに危険もないということだ。
ロシア国営宇宙開発企業ロスコスモス社のCEOドミトリー・ロゴジン氏は当初、事故原因を「外部からの損傷」と発表していた。極小の隕石が船体にぶつかり、小さな穴を開けたというのである。だが今月4日になって、ロゴジン氏は主張を一転、「穴はドリルで開けられた可能性がある」と発表した。
ロゴジン氏がロシアメディアに語ったところによると、問題の穴の周辺には傷があり、外から飛んできた小さな石ではなく、ドリルによって内側から開けられた形跡があるというのだ。しかも、同様の痕跡は複数見つかっており、宇宙空間で行われた計画の「意図的な妨害」の可能性すらあるというのだ。ロゴジン氏は今回の問題をソユーズを開発した同国企業エネルギア社の“名誉に関わる問題”と述べ、徹底的な調査を行うとしている。
一方で、英「Daily Mail」(今月4日付)の報道では別の可能性も指摘されている。穴はわざと開けられたのではなく、製作・整備中の過失によるもので、パッチを当てて隠蔽されていたものであるというのだ。すでに隠蔽に関係した人物が特定されているとの情報もあり、ロシアでは現在モスクワやカザフスタンの基地にある全ての宇宙船と無人輸送機を調査中だという。
宇宙船に穴を開けて空気漏れを故意に引き起こしたとすれば、いかなる理由があろうとも許されない暴挙としかいいようがない。ロシアが国の威信をかけて行っている宇宙計画を妨害しようという勢力とは一体何者なのか、その謎はつきない。一方で、ミスの隠蔽が原因だったとしても、保身のためにISSや乗組員らを危険にさらした責任は逃れようがない。
いずれにしろ、問題の穴を作った原因が石でないなら、ロスコスモス社やエネルギア社の管理体制が問われるのは間違いないだろう。今後の調査結果の公表が待たれる。
参考:「AFP」「NASA」「Daily Mail」ほか
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