石破の顔のデカさは不利!? 顔の幅が広い政治家は「腐敗している」と思われがちと判明!

 そこで、実験では100人の政治家の顔写真を加工し、横幅を広げて、改めてボランティアにどのような印象を持つのか尋ねた。すると、顔の横幅が大きい写真は小さい場合に比べ、明らかに「不正を行っていそう」と判断されたというのである。

石破の顔のデカさは不利!? 顔の幅が広い政治家は「腐敗している」と思われがちと判明!の画像2実験に使われた写真。画像は「Caltech」より引用

 当然だが、顔の大きさと実際に不正を働くかどうかは全く別の問題だ。顔が小さくても汚職に関わる人もいるし、逆に顔が大きくても清廉潔白という人もいる。研究者らも、裏で不正を犯しているが表向きには「クリーン」な政治家が、実験に使用した写真の中に混じっている可能性を認めている。しかし、顔が大きいと「腐敗している」とみなされやすいという傾向はあるのもまた確かなようだ。

 だが、ここで一つ思い返して欲しい。歴代の日本の総理大臣もアメリカの大統領も、顔の大きな人は多かったような気がしないだろうか。だとしたらなぜ、「不正を犯しそう」な人物をわざわざ選挙で選んでしまうのか?

 研究者らはその理由の一つとして、顔の大きい政治家は疑われやすいため、平均以上に詮索されて、有罪判決を受けやすい傾向があるのではないかと考えているようだ。また、「不正しやすい」とみなされることで、悪い輩が近づいてきやすく、実際に汚職に関わる機会が増える可能性があるとも指摘する。

 もちろん、大きな顔が与える印象は何も悪いことばかりではない。過去の研究では、大きな顔をした男性は積極的に攻撃するホッケープレイヤーになりやすいという報告もあるなど、リーダーシップや積極性といった良い評価とも関連しているのだ。さらに、顔写真では悪印象を抱いたとしても、動いたりしゃべったりする姿を見て、最初の印象をすっかり改めることは当然起こりうるのである。

 現在日本では自民党総裁選が行われているが、安倍晋三氏と石破茂氏を比較したとき、横幅の広い顔つきの石破氏は、第一印象という点では不利なのかもしれない。だが、写真の印象は動画や言動で簡単に覆されるのもまた事実。政治家とは、顔も所作も言動も、そしてもちろん能力も問われる、実に大変な仕事ということだろう。

参考:「Big Think」「Caltech」「Psychological Science」ほか

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