一瞬で胴体真っ二つ「チェーンソーの知られざる殺傷力」を亜留間次郎が検証!振り回すと激ヤバ…「シャークネード」解説も
■医療機器としてのチェーンソー
ちなみに……人間をチェーンソーで切るのは外道の所業と思われそうですが、実は元々、チェーンソーは人間を切るために、1830年にベルナルト・ハイネというドイツの整形外科医が開発した歴とした医療機器なのです。チェーンソーで人を切断するのは間違っているけど、間違っていないのです。
ベルナルト・ハイネ医師は1836年、チェーンソーで人間を切る研究論文で医学博士号を授与されています。その後チェーンソーはドイツの医療機器メーカーで量産され、1876年のフィラデルフィア万国博覧会にも出品されています。
アメリカでも1872年にGeorge Tiemann & Companyが量産を開始して、多数がアメリカ陸軍に納品されていました。1872年(明治四年)当時の定価が300ドル。現在の価値で言えば一千万円以上する、非常に高価な医療機器として販売されていたようです。同じカタログには普通の手足切断用ノコギリが価格5ドルで掲載されています。普通の病院では5ドルのノコギリで間に合わせていました。
ではなぜ、この時代、チェーンソーが医療用に必要とされたのでしょうか。それはなかなか残酷な理由です。
当時は全身麻酔が無く、骨を切断する手術は痛がる患者を無理やり押さえつけて行うしかありませんでした。非常に苦痛の大きい方法しかなかったため、手術を短時間で終えることが非常に重要視されていたのです。そのため、人間の骨を短時間で切断できるチェーンソーが必要とされたわけです。
麻酔が当たり前になり、数時間に渡る手術も普通になった現代医学において、チェーンソーの費用対効果は著しく低下し、今では使用されなくなりました。ですが、昔は少しでも患者の苦痛を減らそうという人道的な理由で、チェーンソーで人間を切っていたのです。チェーンソーで人間を切ることが、ギロチンなんかと同じで人道的とされた時代があったのは確かです。
そして時は流れ、21世紀現在、災害現場で行われる緊急外科処置の一つとして、倒壊した建物などに挟まれた人間の手足を短時間で切断できる『キュアカッター』というプ●キュアの技っぽい名前の人間用ワイヤーソーが使用されています。このコバルトクロム合金のワイヤーでチェーンソー作ったら最強の対人兵器になりそうなので、だれか漫画に登場させてみてください。
最後に。チェーンソー、回転ノコギリ、ドリルといったフィクションに登場する回転武器は全てキックバックによる自滅事故を起こすリスクが非常に高い道具です。使用する際にはくれぐれも安全に十分に配慮してください。
参考:「Cut Protection For Pro Saw Users」「Clinical Orthopaedics and Related Research 474巻5号p.1108-1109」ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊一瞬で胴体真っ二つ「チェーンソーの知られざる殺傷力」を亜留間次郎が検証!振り回すと激ヤバ…「シャークネード」解説ものページです。武器、事故、殺人事件、サメ、チェーンソー、くられなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで