あっ、生命線が切れている…! 怪奇漫画マニアの『筋肉少女帯』ベース内田雄一郎
あっ、生命線が切れている…! 怪奇漫画マニアの『筋肉少女帯』ベース内田雄一郎がB級ホラーを徹底解説!
『筋肉少女帯』メジャーデビュー30周年を記念してお送りしているベーシスト内田雄一郎インタビューも後編(前編はこちら)。前回は70年代オカルトの話に終始したが、今回は、ニューアルバムの裏話、さらにはひばり書房を筆頭とした怪奇漫画について、内田氏に聞いていこう。
■最新作MVにビックフットの再現映像
――ちゃんと音楽の話をしましょう。今回のアルバム『ザ・シサ』でもオカルト的な詩の世界が描かれていますね。
内田 新曲『オカルト』のMVももうモロにその方向ですね。古き良き『木曜スペシャル』みたいな映像です。ビックフットの映像をとても上手く再現してるし、UFOもムベンベも出てきます。世界観が合ってていいですよ。見てみてください。
――宇宙人、ユリゲラー、キャトルミューティレーション…大辞典ばりにすべて入っているPVですね。メンバーから映像の方にお願いしてるんですか?
内田 全部オーケンですけどね(笑)。MVは彼におまかせです。おまかせしてたらすごいことになった(笑)。
――今回のアルバムで内田さんがここを聞いてほしいというのはありますか?
内田 もうベテランさんなもんで、自由に音楽も歌詞もやりたいことを勝手にやらせていただいています。
――内田さんも歌詞に協力しているんですか?
内田 昔はあったけど、今は全くないですね。今のオーケンは歌詞があふれ出るようにポンポーンとできてくる人になったなあ。
――今回の歌詞世界もかなりきていますね。

内田 まず1曲目のタイトル『頭屋』(とうや)が普通の人じゃわからないですよね。これは諸星大二郎の漫画に出てくる生贄の『頭屋』だそうで。
――レコーディングはどれぐらいの期間されていましたか? また、苦労した点は?
内田 2~3カ月ぐらいですか。苦労は……うーん。30年やっても新しいものを作ろうと思っているのでそういう苦労はありますね。常に前のアルバムとは違うものを目指しています。
■「もう音楽の話はいいや(笑)」

――今回のレコーディングだけでなく、『筋肉少女帯』の活動でUFOや幽霊を見た経験はありますか?
内田 子供の頃、金縛りによくかかってたんだけど、心霊現象だとは思わずに「おお、体が寝ていて頭だけ起きてるぞ、おもしろー」と楽しんでました(笑)。その後ある本で、脳だけ覚醒した状態の睡眠中には観念でなんでもできる、空も飛べる!とかいうのを読んで。積極的な夢の活用法みたいな。そんなような練習したこともあったなあ。
――内田さん自身に霊感はないんですか?
内田 霊感はよくわかんないけど、チャクラ活性法とか自己開発みたいな、東洋神秘思想的なのは好きですね。あとは、オーケンの『オールナイトニッポン』に送られてきた写真だったかな。お墓と人が一緒になったような非常に不気味な写真があったんですよ。どう見てもおかしな写真で、こりゃ本物だー!と。でも、30分くらいかかってよ~くよく見たら、錯覚でそうみえるというのがわかって。やっぱり僕の話はライトなオカルトユーザーですよね。
――いえいえ、そんなことはないですよ。オーケンさんの話も聞きたいんですが、著書で“UFO禁止令”を医師から出されるほどハマっていた時期があったとか。あのときは近くで見ていてどうでしたか?

内田 当時の話ですか。オーケンは「『オカルトの謎を解明してやろう。どうしてそうなるんだろう?』という姿勢で、いろいろ首を突っ込んでいたら、ミイラ取りがミイラになってしまった」と言ってたかな。
――実際にオーケンさんはどんな様子でした?
内田 まあ、その辺の話は、本人に聞いてください。ひとつエピソードとしては「ホテルの鍵が曲がっちゃった」とか言ってたのは覚えてる。ちょっと気の毒な感じだったので、あまり笑えない(笑)。
――いろんなことがある30年ですね。
内田 アルバム『レティクル座妄想』の時期はわりと観念的で暗い感じでしたね。アルバムは売れたんですけどね。もう音楽の話はいいや(笑)。
■いばら美喜の漫画はすぐ首が飛んでくる
――では、またもや、ひばり書房ですが、どこが魅力でしたか?
内田 ひばり書房は米沢嘉博先生の『戦後怪奇マンガ史』を見ても少ししかページがないぐらいのマイナーな出版社ですからね。でも、70年代には貸本屋にズラッと並んでました。小学生のころはひばり書房は近寄りがたい雰囲気でした。中学、高校になって安く古本屋で手に入れてるうちに揃ってきちゃって。ひばり書房の面白さをひと言で伝えるのは難しいですね。
――ひばり書房の中で特に好きな作家は?

内田 さがみゆきさん、古賀新一さんなどしっかりした漫画家もいます。ただ、新人のまったく意味のわからない作品も味わい深いですよ。お話の中で「波がドドーッとくる夜に〜」とか意味不明の歌がずーっと流れてるんですが、巻末にその曲の譜面が付いているとか。作者のオリジナル曲(笑)! いばら美喜先生はスゴくいいです。昔の劇画風で、作品内ですぐ首が飛んじゃったりね。美しきB級グロテスクでオススメです。そもそも最初は好美のぼる先生が好きでした。おじいさん風のタッチの絵で、曙出版から『妖怪』シリーズというのを何冊も出していて。その中の『妖怪屋敷』という漫画がB級怪奇漫画を集めるようになったキッカケですかなあ。『妖怪屋敷』は、ある青年が屋敷に軟禁状態にされて、逃げ出そうとするストーリーで、逃げようと部屋を開けると……。

そこで左ページで青年が屋敷を探索して、ページをめくるとドーンと妖怪が出てくる。「妖怪なになに」って書いてあって。「ギャー」と言って、青年が逃げると、また次のページで違う妖怪が現れる。これを、何十ページ、妖怪何十匹も繰り返す(笑)。作者の言葉で「妖怪をたくさんこの本に詰め込んだ。恐ろしいゾ~」というアオリもステキでしたね。初めて読んだときは「なんじゃこりゃ~?」でしたが、作者が本気で楽しんで描いてる感じが素晴らしい。全然こわくないけど。
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