あっ、生命線が切れている…! 怪奇漫画マニアの『筋肉少女帯』ベース内田雄一郎
あっ、生命線が切れている…! 怪奇漫画マニアの『筋肉少女帯』ベース内田雄一郎がB級ホラーを徹底解説!
――家には怪奇漫画コレクションがあるんですか?
内田 今はもう集めてないけど、ひばり書房は100冊以上かなぁ。古い貸本専用で大判の『怪談』とかにも手を出してました。タイトルが面白くて、秀逸なのが『あっ!生命線が切れている』好美のぼる(立風書房)、『呪われた巨人ファン』城たけし(ひばり書房)とかね。簡単に歴史を話すと、70年代のひばり書房に続き、80年代には立風書房のレモンコミックスが生まれますあって。86年には朝日ソノラマから『ハロウィン』というホラー漫画雑誌が創刊されたあたりで、描き下ろし単行本のひばり書房のコミックスは、消えてったのかなぁ。『ハロウィン』以降のホラー漫画は、リアルで上質なんだけど、胡散臭さがないのよね、インチキ臭い夢が(笑)。僕はオールドウェーブ派ですな。ひばり書房は、描き下ろしだからこそ、自由で変テコなストーリーが多かったのかもしれませんね。
――ひばり書房があった当時は、『サンデー』や『マガジン』を筆頭とする5大週刊少年誌とかもあったわけですよね。そちらに興味は?
内田 もちろん『マガジン』『サンデー』『チャンピオン』『ジャンプ』『キング』の週刊誌は、たくさん読んでましたよ。それで漫画を読みすぎて「COM」とかに手を出したりしたけど、『ガロ』は小学生には敷居が高かった。ホラーでいえば、メジャーな水木しげる先生、楳図かずお先生ももちろん大好きです。楳図先生は、『のろいの館』などなど別格ですね。水木先生といえばもっと小さいころ『たのしい幼稚園』(講談社)という今も続いている雑誌に『ゲゲゲの鬼太郎』が連載していて、太陽みたいな丸い妖怪が出てきて、怖くてページがめくれなかったおっかない記憶があって。点描が怖いんですよね。こんなやつ(と描き始める)。西洋妖怪の親玉でしたね。なんでしたっけ?
――バックベアードですか? 読者に聞けばその妖怪はわかりそうですね。水木しげる、楳図かずおを通りながらも、内田さんは基本的にB級な、ひばり書房のようなホラーが好きなんですね。
内田 ジャンクが好きなのね。のめり込む性格なので、どんどんひねくれた方へ方へと突き進んで、ひばり書房は「行き着いた最果て」でしょうかね。小学校までは『ジャンプ』も読んでましたが、漫画評論誌みたいな『ぱふ』とかを買うようになり『ガロ』系に浸かって、ひばりにたどり着きましたと。
――行き着いた結果が『筋肉少女帯』にいかされているのが、素晴らしいと思います。最後に読者にメッセージをお願いします。
内田 今日は漫画とオカルトの話ばかりでしたが、ニューアルバム『ザ・シサ』もよろしくお願いします。あと、昭和40年代生まれで今も『オカルト』に興味のある人はもっといるはずです。
――1999年以降なにをしてきましたか?
内田 恐怖の大王が通り過ぎてしまい、なにをしていいかわからず、彷徨っているんじゃないでしょうか。そんな人たちにも新曲『オカルト』は届くかと思います。
(取材・文=松本祐貴)
■『筋肉少女帯』情報
『筋肉少女帯』メジャーデビュー30周年記念アルバム『ザ・シサ』が発売中!! ツアーは 11月10日から。リード曲『オカルト』は『緊急検証!THE MOVIE』の 主題歌に決定!
詳細は公式サイトにて。
・筋肉少女帯公式サイト
http://eplus.jp/king-show/
■内田雄一郎(うちだ・ゆういちろう)
1966年、東京生まれ。ミュージシャン・ベーシスト。1982年大槻ケンヂと『筋肉少女帯』を結成。1988年にメジャーデビューし、今年はデビュー30周年。ほかにテクノユニット『空手バカボン』など活動バンドは多数。2017年にはソロアルバム『SWITCHED ON KING-SHOW』も発表。その卓越したベーステクニックと幅広い音楽センスは評価されている。
■松本祐貴(まつもと・ゆうき)
1977年、大阪府生まれ。フリー編集者&ライター。雑誌記者、出版社勤務を経て、雑誌、ムックなどに寄稿する。テーマは旅、サブカル、趣味系が多い。著書『泥酔夫婦世界一周』(オークラ出版)。ブログ「~世界一周~旅の柄」 ・http://tabinogara.blogspot.jp/
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2024.10.02 20:00心霊あっ、生命線が切れている…! 怪奇漫画マニアの『筋肉少女帯』ベース内田雄一郎がB級ホラーを徹底解説!のページです。大槻ケンヂ、松本祐貴、内田雄一郎、怪奇漫画、筋肉少女帯などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで