池上彰も触れない、海の水質悪化で「魚たちがセックス狂になる」可能性とは!? 下水に流れ込む抗うつ薬が原因!
■フルオキセチンでメダカが“好色”に
低レベルと高レベルのフルオキセチン混入水槽に入れて35日が経過したメダカを迷路が施された新たな環境に移し、まず研究者たちは、大胆さや探求心、活発さなどの行動に着目した。しかしこうした行動面については、フルオキセチンに晒されていないグループのメダカとの差異は見られなかった。抗うつ薬は人間の精神面に効力を発揮するが、メダカのメンタルには効かないことが示唆されたことになる。
続いて、水槽の中でメスのメダカと一緒になることでどのような反応を見せるのかが観察され、精子の品質も調べられた。つまりメダカの生殖能力に関する変化が検分されたのだ。
結果は、低レベルと高レベルのいずれのフルオキセチンに晒されたメダカも、メスを追っかけて交尾をしようとする行動が著しく増えたのだ。つまりフルオキセチンにまみれたオスのメダカは“好色”になったのだが、その一方で精子のクオリティについては違いが見られなかった。
フルオキセチンに晒されていないコントロールグループにおいては、迷路水槽の中での行動力と交尾行動に高い関係性があるのだが、フルオキセチンに晒されたメダカはこの関係性に乱れが生じていることが示されることになった。つまり普通のメダカは行動力にふさわしい生殖行為を行なっているのだが、フルオキセチンに晒されたメダカは生殖行為だけが突出して活発になっているのである。言葉は悪いがベースとなる行動力以上の“異常性欲者”になっているのだ。
今回の研究は“医薬品汚染”が自然環境の中の生物の行動に混乱を生じさせるリスクを提示した初めてのケースということになる。日本の厚生労働省からは認められていないフルオキセチンだが、プロザックは個人輸入などで容易に入手できるといわれている。欧米に比べて日本ではそれほど医薬品汚染は進んでいないと思われるが、医薬品が生物と生態系を乱すリスクがあることをこの機会に確認しておきたい。
(文=仲田しんじ)
参考:「Mirror」、「Science Trends」、ほか
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