「NYの地下秘密クラブ」での悪夢を映画化!アセンシオ監督が「移民問題とオカルト」を語る(インタビュー)
不法移民の女性が経験する悪夢の一夜とニューヨークアンダーグランドの世界を描いた映画『モースト・ビューティフル・アイランド』が、2019年1月12日から公開される。スペイン出身の女優アナ・アセンシオが自身の経験をもとに製作した初監督作品であり、さらに脚本・主演もつとめている。同作品は、SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)映画祭2017で最高位の審査員大賞を受賞、ロッテントマトで94%の高評価を得ており、世界50以上の映画祭で上映され大絶賛されている超話題作なのだ。
■ストーリー
ニューヨーク・マンハッタンのボロアパートで暮らす移民女性ルシアナ(アナ・アセンシオ)は、ベビーシッティングや客引きで日銭を稼ぐ毎日。極貧生活に疲れ切っていたある日、彼女は友人のロシア人女性から、セクシーなドレスを着て秘密のパーティーに参加するだけのおいしい高額バイトを紹介してもらう。指定された怪しげな地下室に行くと、そこにはルシアナのような外国人の美女が何人も集められていた。威圧感のあるマダムによって1人また1人と奥の部屋に呼び込まれていく。これから何が起こるのかわからず不安と恐怖にかられるルシアナ。しかし、社会的に存在が認められていない不法移民の彼女を助ける者などいない。そんな中、ついにルシアナに声がかかるのだった……。
11月、本作のキャンペーンのためアセンシオ監督が初来日した。TOCANAでは、緊急インタビューを敢行。アセンシオ監督に作品に関してやオカルトな質問をズバリ直撃した。(前編はこちら)
――この作品で描かれているように、ニューヨークの一部の人間の歪みは凄まじいですね。子供もワガママでしたが、原因は何だと思いますか?
アセンシオ監督 ニューヨークに限らず大都市に住むとその代償というものがあると思います。時間に追われたりするので、その代償をほかのもので不自然に補おうとするのでしょう。たとえば子育ても母親がするのではなくベビーシッターに任せるとか。そういったところで何かしらの歪みが生じてしまうのではないでしょうか。
――ありがとうございます。日本はあんまり移民の影響を受けてこなかったと思うのですが、これから移民が増えることによって、日本文化の良さが失われる面もあるかもしれないと危惧しています。移民政策をめぐっては国際世論も分かれており、ナショナリズムも台頭していますが、監督の考えを教えていただけますでしょうか?
アセンシオ監督 移民の問題をグローバルな視点から言うとするならば、生活と人間という風に分けて考えたいと思っています。生活という面では、ネガティブなこともありうると思います。それは、どこにいても同じようなものが増えてしまうことにより、物事の定義が狭まってしまうのではないかということです。たとえば、どこにいてもスターバックスがあるという状況では、多様性が薄れてしまうこともあるでしょう。そこから、美しいとかそういったものの定義が狭まってきてしまう危険性はあります。
次に人間という面で考えましょう。たとえば、アメリカは移民の国と言われているように、移民によって成り立った国です。アメリカが建国された当初、いろんな国からたくさんの移民が来ていました。移民たちはゲットーと呼ばれる同じ国出身の人たちによるコミュニティをそれぞれで持って固まっていたんです。でも、それが2代目、3代目になるとすでにアメリカで生まれているわけですから、そこのコミュニティにわざわざ属する必要がないんです。1代目、2代目、3代目といった変化を経て、それぞれの新たなアメリカの文化を作り出していくのです。そういった移民の人々のそれぞれの特性を踏まえて考えないとただ「移民」というだけで今ここでひとまとめに論じることはできないと思っています。
ただですね。難民に対するブロックは必要ないと思っています。彼らは安心して暮らしたり眠れたりする家が欲しいだけであって国を脅かしにきているわけではありません。なので、その人たちをブロックするのは行き過ぎだとおもいます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊「NYの地下秘密クラブ」での悪夢を映画化!アセンシオ監督が「移民問題とオカルト」を語る(インタビュー)のページです。アナ・アセンシオ、モースト・ビューティフル・アイランド、白神じゅり子などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで