在日シリア人ジャーナリストに直撃! メディアが報じない「プーチン支配のシリアの現状」暴露、 第三次世界大戦も…(インタビュー)
2018年10月、シリアのヌスラ戦線に拘束されていたフリージャーナリストの安田純平さんが3年4カ月ぶりに解放された。連日さまざまな報道が飛び交っているが、現在のシリア情勢に精通し、冷静かつ中立的な観点から深層に迫る報道は少なく、まるで鬼の首を取ったかのような「自己責任論」や、憶測に基づくさまざまな陰謀論まで浮上する有様だ。
そこで筆者は、東京都内で先日行われたFMラジオ局の公開収録トークイベントにて、シリア人ジャーナリストであり「リサーラ・メディアプロダクション」の代表として日本や北東アジアのニュースをアラブ諸国のメディアに届け続けるナジーブ・エルカシュ氏にインタビューを敢行した。ナジーブ氏のニュース配信先は、アルアラビーヤ、クウェート国営TV、オマーン国営TV、ドバイTV、アシャルク・アルアウサト新聞など、実に多岐にわたる。また、『news zero』(日本テレビ系)をはじめ、日本のTV番組にもに積極的に出演するほか、映画祭などの教育・文化交流分野でも活躍している。
母国のみならず世界各国の事情に通じ、かつて東京大学大学院や名古屋大学大学院に留学していたこともあるナジーブ氏は、非常に流暢な日本語で真摯にインタビューに応えてくれた。シリアの今、そして安田純平さん解放の真相とは!?
※ ナジーブ氏が安田純平さん解放の裏を明かした前編はコチラ!
■シリアを支配しているのはアメリカではない!
――シリアの現状について、もう少し詳しくお聞きします。アメリカ寄りのメディアが「アサド政権はとんでもない独裁者だ」と報じる一方、「アサド政権の化学兵器使用による国民虐殺は証拠もなく、アメリカをはじめ各国のシリア空爆・干渉はおかしい」という報道もありますね。ナジーブさんご自身は、アサド政権についてどのようなご見解なのでしょうか?
ナジーブ氏(以下、ナジーブ) アサド政権は、6年半のうちに50万人もの自国民を虐殺しました。そして今や、シリアの全人口の約半分にあたる約1,300万もの人々が難民となっています。シリアには言論の自由がありません。アサド政権に反対する者は裁判も経ずにいきなり捕まって拷問の果てに殺されます。ですから、今のままでは私自身もシリアに帰国することはできません。
最近まで、誰かが殺されてもシリア政府は家族に告知すらしませんでした。それはさすがにマズいと、シリアを実質的に支配しているロシアがアサド政権にプレッシャーをかけて、ようやく家族の安否確認ができるようになったのですが、(どちらにしろ拷問は行われるのですから)人権などなくて、モノ以下の扱いです。
――シリアを実質的に支配しているのはロシアなのですか?
ナジーブ 形の上ではロシアとトルコ、アメリカでシリアをシェアしている状況ですが、最も影響力が強いのはロシアです。シリア空軍の一部はイランがサポートしているものの、現在のシリアは実質的にほぼロシアの支配下にあります。
左派のメディアはアメリカの影響力や陰謀ばかりを取り上げますが、実際にオバマ元大統領はシリアの民主化運動をバカにしていましたし、トランプ大統領もシリアには関心がありません。アメリカの影響力はロシアの影響力とは比べ物にならないのです。(※)
※ 12月19日、米トランプ大統領はツイッターでシリアから米軍を撤退させる意向を表明している。
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2024.10.02 20:00心霊在日シリア人ジャーナリストに直撃! メディアが報じない「プーチン支配のシリアの現状」暴露、 第三次世界大戦も…(インタビュー)のページです。アメリカ、ロシア、イスラエル、シリア、虐殺、ジャーナリスト、アサド政権、ナジーブ・エルカシュなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで