「週刊SPA!ヤレる女子大学生ランキング」への批判や抗議こそ差別! ヤラせる女の多様性を尊重せよ(東大教授寄稿)
確かに女性を、男性的獣欲の捌け口扱いしたようなフレーズですね。
でも「ヤレる」って、俗語の慣用句にすぎないし、そもそも同意がなきゃヤレるわけがない。女性の意思を踏みにじる意味合いはありませんね。いや、彼氏の歓心を買うために不本意なセックスに応じ続ける悲しい女が多いことは、私もよく知ってます。恋愛関係でのセックスの何割かは実質レイプ、これ確かに現代社会の大問題。しかし今回は恋愛ではなくギャラ飲みの話ですから。行きずりセックスの動機は、自由意思しかありません。
ちなみにざっと調べたところ、『SPA!』は以前、「女が選ぶ[ヤレる男・ヤレない男]の境界線」なんて特集もやってます。ああ見えてもけっこうバランスとってるんですよ。ただし女目線の「ヤレる」は減点主義(能動形)、男目線の「ヤレる」は全入主義(受身形)と、意味が違うんですけどね。
男女同等のフリーセックス。しかし実際には経済的にも心理的にも男女非対称、フリーでもなんでもない、そのことを揶揄した微妙な味わいあるコトバが〈ヤレる〉です。性の機微をとらえたこういう語が糾弾によって消えてしまったら、日本語的にまずいでしょう。
つまりこういう記事って、男も女も等しく侮辱し嘲笑しコケにすることでエンタメとして成立しつつ、社会批評になることもある。それなりの文化です。ちゃんと読んでから文句言いましょうよ、自己省察と人間研究のいい機会じゃないですか。
女性蔑視と並んで大学に対する誹謗中傷だ、そんな声もあるようですね。男漁りする女子学生が多いというデマは、大学のイメージダウンを招き、名誉棄損であると。
しかしそれって――女が積極的にセックスに乗り出すことは悪だ、という抑圧的イデオロギーの追認ですよね。まずくないですか、「性の多様性」のこの時代に。
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