米有名TVタレントなど“レーシック手術”失敗で自殺者続出の事実発覚…問題に! 「リレックス・スマイル」でも後遺症か?
■レーザー眼科手術は「一種の詐欺」!?
2008年、FDA(アメリカ食品医薬品局)は、レーシックを含むレーザー眼科手術への苦情に対応し、患者および遺族が証言する聴聞会を開いた。証言者の中には、手術後6年以上苦痛に耐えた後、28歳で自殺したコリンの父親ジェラルド・ドリアンもいた。コリンの遺書には、「私は、この現実を受け入れることができない。目が悪くなってすぐ、私は今まで経験したことのないヒドイうつ状態に陥り、それから抜け出せなくなってしまった」と書かれていた。
また、婦人科専門のナンシー・バーレソン医師も息子マックスの自殺について、証言を行った。マックスは米軍兵士であったが、レーシック手術後の10年間、絶え間なく続く視力の劣化と痛みに苦しみ、自殺した。彼は、「自分が死ぬのは、ダメになった目のせいだ」という遺書を残していた。葬儀の後、母親のバーレソン医師は、「Lasiksuicides.com(レーシック自殺ドットコム)」の運営を開始し、そこでレーシックやその他レーザーを使う眼科手術への反対運動を始めた。
そしてFDA元メンバーのモリス・ワクスラー博士も、レーザー眼科手術に批判的な立場をとるの一人だ。博士は「Daily Mail」紙に、FDAは遺族の証言や、それ以来、FDAに寄せられた数千にも上る苦情に耳を傾けていないと話す。ワクスラー博士は、レーザー眼科手術はあってはならない手術だと考えており、ある人々には問題がないと言っても、多くの人が苦しんでいるのが事実であり、これは一種の詐欺と考えていると語る。
しかし一方、FDA側は最新研究では、患者の95%が手術の結果に満足していると反論している。
2014年に新たに実施されたFDAの報告書でも、患者の半数近くが術後3カ月後にハロ現象(明るい光源がにじんで見える現象)や複視、ドライアイを報告している。しかし312人の参加者の中で、レーシック手術後に多くの問題が起きたと答えたのは、わずか1%未満だというのだ。
しかしワクスラー博士は、この統計は低く見積もられ過ぎていると考える。博士は、レーシック手術後の合併症に悩む患者の支援サイト「Lasikcomplications.com(レーシック合併症ドットコム)」を通じ、レーシック手術後の苦痛に悩み、自殺した人々を少なくとも17人は知っていると話す。そして6,000人もの患者が、手術後に起きた症状への不満を訴えているのに、FDAは無視しているとも語った。
ワクスラー博士は、自殺した人々が訴える術後の目の痛みについて、手術後、元に戻るはずの眼の神経が復元せず、切断された神経がボール状に丸まってしまい、患者が痛みを感じるケースがあると説明する。また、神経の痛みは治療が難しいことで知られていて、患者は長い間、痛みに苦しんだ揚げ句、治療法を見つけられない医師に「見捨てられる」ケースも起きるという。
前途洋々に見えた天気予報士のジェシカ・スターや青年たちが、人生をより良くするはずのレーザー眼科手術が原因で自殺してしまうとは何ともやるせない。眼には多くの神経があり、脳に直接つながっている重要な器官だ。FDAにはもっと踏みこんだ調査を望みたい。
(文=三橋ココ)
参考:「Daily Mail」、「Lasik Complications」、「New York Post」、ほか
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