奇習! 実は評判がよかった「強制結婚」の実態! 中学卒業 → すぐ同棲… 中部地方に実在した結婚体験談が深い!

【日本奇習紀行シリーズ】 中部地方

奇習! 実は評判がよかった「強制結婚」の実態! 中学卒業 → すぐ同棲… 中部地方に実在した結婚体験談が深い!の画像1画像は「getty images」より引用

「今の人からすれば、嘘の話をしていると思われるかもしれないですけれどね、私、主人以外の男の人を知らないでこの歳になったのよ。だから、恋とか愛とか、それこそドラマなんかで言われることって、いまいちピンとこなくて(苦笑)」


 今から7年前に亡くなったという夫・義道さん(享年・78)との結婚生活を振り返り、どこかいたずらっぽい笑顔でそう語るのは、現在、都内の特別擁護老人ホームで余生を過ごし、月に2回ほど神奈川からやってくるという長男夫妻と、その愛娘との時間が何よりも幸せなものだと語る無職・河上倫子さん(仮名・79)。河上さんの話によると、その昔、彼女たちが生まれ育ったという中部地方のとある地域では、一風変わった婚姻関係が、多数結ばれていたのだという。


「あのね、私たちと主人が生まれたあの村ではね、昔っから、あらかじめ決められていた相手としか結婚できないだなんていう、おかしな習慣があったの。私の場合、祖父が決めた縁談だったんですけれどもね、なにせ(婚約したのは)物心つく前のことなのだもの(苦笑)。それを決めた祖父だって、私たちが一緒に暮らしはじめた頃には、とうに亡くなっているという有様で……」


 河上さんたちのケースに限らず、日本においては、かつて「結婚=家同士が決めるもの」という認識が広く定着しており、その多くは、前例に倣う形で、年端もいかぬ子供のうちに決められていたものであった。そうした行為が横行していた時代には、いわゆる自由恋愛とは無縁の、それこそ本人の意思というものが一切介在しない形での婚姻関係というものが、ごくごく当たり前のように結ばれていたというのが実情であったようである。


「それで、結局は私が中学を卒業したのを見計らって、主人と一緒に暮らすようになったのですけれども、主人のほうが少し年上ですけど、所詮は子供同士のおままごとみたいな結婚でしょう? だから最初は喧嘩もよくしましたし、それが収まらなくって、私も“実家に帰る!”だなんて家を飛び出したこともあって……けど、今にして思えば、ああいうのも良い思い出なんじゃないかしら」

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