死んでも行きたい絶景! 廃墟王国・インドの階段井戸「アグラーセン・キ・バオリ」がカッコよすぎる!

 階段をくだりつつ振り返ると、今更ながら、この井戸の深さを実感させられる。しかしその見た目とは裏腹に、どうやらこの井戸は地元の恋人たちにとってデートスポットのようなものとしても位置づけられているようで、筆者が訪れた際にも、若いカップルたちが階段へと腰を下ろし、楽しげに愛を語らう姿が散見された。こうした光景が広がる中、筆者はさらに階段を下っていく。

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 長い階段を下った末に辿り着いたこの場所が、階段井戸『アグラーセン・キ・バオリ』の最深部にあたる場所。外部の喧騒とは裏腹に、そこには、思いのほか、静謐な時間と空気が広がっていた。

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 そこから上を眺めると、映画『ハムナプトラ』シリーズや、『インディ・ジョーンズ』のひとコマが思わず頭をよぎる光景が……あのジョーンズ先生ならば、たとえこの空間の奥底へと転がり落ちたとしても、携えた鞭を駆使して、脱出を成功させるのだろうか。

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 そこからさらに奥へと進むと、かつて井戸としての役割を果たしていたであろうエリアが出現。頭上には、井戸の開口部と思しき箇所が口を開け、外からの木漏れ日を地下へ誘っていた。ここは、『アグラーセン・キ・バオリ』の“井戸としての顔”を実感できる場所ではあるものの、その実、今ではほぼ水もなく、わずかに残された水たまりのような部分でさえも、ゴミが浮いている有り様であった。

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 ちなみにこの『アグラーセン・キ・バオリ』、その名に冠された古代の王・アグラーセンの名からもわかるように、もともとは古代に掘られた井戸なのだという。それが14世紀頃に再建され、現在に至るとされているが、その歴史的な価値や美しい意匠、さらには想像を遥かに超える規模感とは裏腹に、現状、外国人観光客にとっては、まださほど注目されているスポットではない様子だ。もっとも、こうした点も含め、“遺跡王国”、“廃墟王国”として知られるインドならではの魅力と言えるのかもしれないのだが……。

文・写真=Ian McEntire

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