想像力の豊かさはクリエイティブと関係ないことが判明! むしろ「統合失調型思い込み」の可能性

■想像力は統合失調型の思い込みと強い関係

 また、128人が参加した実験では、IBESとビッグ5テストに加えて、創造性を計測するテストと、たとえば超常現象や迷信、ファンタジーなどを信じる統合失調型思い込み(schizotypal belief)を計るテストも課された。創造性を計測するテストは、ピンポン玉や板切れ、ペーパークリップなどを見せられて、それらが本来の用途のほかにどんなことに使えるのかを制限時間内にできる限り多く列挙するといった内容である。

 一連の課題から収集したデータを分析したところ、想像力と創造性にはほとんど関係がないことが突き止められた。想像力が豊かであるからといって、クリエイティブであるとは限らないということになる。

 想像力が、学習能力やクリエイティビティにほとんど関係しないことが示されたのだが、皮肉なことに想像力は統合失調型思い込みと比較的強い関係があることもまた導き出された。豊かな想像力は精神疾患の症状に見られる誇大妄想や被害妄想に通じるものがあるということにもなる。

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 学習と創造はある程度の集中力が要求されるが、想像を自由に思いめぐらせる行為はリラックスした状態で行われることから、両者の間には質的な違いがあるので元から関係性が希薄であると研究チームは説明している。

 しかしながら今回の実験で課された創造力テストは、いわば実用的なクリエイティビティを計測するテストであり、芸術作品を手がける能力とはまた異なることを指摘しておかなければならないだろう。例えば幻覚や幻聴にも似た豊かなイマジネーションを絵や音楽や小説に“翻訳”して表現した場合、それが芸術作品になるケースもないわけではない。その点においては、豊かな想像力がアート作品を創造したことになる。

 それでも今回の研究で大まかにわかったことは、想像力は学習や発想などの実務的な能力とはあまり関係がなさそうだということだ。授業中や仕事中、あるいは車の運転中などにうっかり想像を膨らませ過ぎないようにしたいものだ。
(文=仲田しんじ)

参考:「Kathmandu Post」、「Ladders」、ほか

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