両手で文字が書けるように子どもをトレーニングすると頭が良くなるのは本当か?

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 神経科学の世界では、「利き手」は現代でも大きな謎とされている。もし、あなたが“片手利き”だったら、両手が同じように使える“両手利き”に憧れるかもしれない。また、頭の回転が今より早くなるのではと考えるかもしれない。だが、現実はそれほど甘くなさそうだ。

■議論が再燃する“両手利き”の効能

 英紙「Daily Mail」(10月7日付)によれば、両手利きになるための訓練をしたところで、メリットはあまりないという。

 巷では、暗算スピードがアップするとか試験に有利だといった宣伝文句で両手利きになるための “頭脳トレーニング”を売り物にするビジネスがある。たとえば「Whole Brain Power Consulting」は“革命的な頭脳トレーニングプログラム”が話題で、開発者のマイケル・レイヴァリー氏は自称「応用神経科学と脳機能分野におけるパイオニア」なんだそうだ。

「両手利きになるためのトレーニングには、ペン習字や記憶力ドリルを用います。これにより心理回路に負荷をかけ、記憶力アップ、ストレスの克服、思考力の向上が可能になります。また、日中は高揚感に包まれ、夜は安眠できるようになる」ため、コツコツとドリル学習を続けることで夢のような“良いことづくめ”が期待できるらしい。

両手で文字が書けるように子どもをトレーニングすると頭が良くなるのは本当か?の画像1Daily Mail」の記事より

 だが、「両手利きと頭脳の働きには関連性はない」とする専門家も多い。神経科学者兼フリーランスライターであるモー・コスタンディ氏は「The Guardian」紙で「世間では、利き手でないほうの手を訓練すれば、クリエイティビティが開花するといった情報が流布しています。確かに新しい経験やさまざなトレーニングによって頭脳の構造や機能に劇的な変化は見られますが、両手利きになるためのトレーニングが脳機能にどのような影響を及ぼすかについては、まだまだ議論の余地があります」と慎重だ。

■“両手ごっちゃ利き”は認知能力が低い

 さらに、ペンシルベニア州立大学のクレア・ポラック教授は、両手利きを“両手ごっちゃ利き”と称した上で「両手ごっちゃ利きの場合、右利き、左利きに比べて認知能力が低いとされています」と手厳しい。これは器用すぎて、逆に認知能力が混乱してしまうのかもしれない。苦労して訓練した割には、得るものは少ないということだろうか。

 ここで興味深いデータを紹介しておこう。2014年に行われた4万7000人を対象とした研究では「左利きの人は右利きの人に比べて、生涯年収が12%低い」という結果が出ている。左利きの人にとっては、知りたくもない数字だろう。

 かくいう筆者もそのひとりだが、幸い、左手で字を書きながら右手で受話器、マウスやテンキーを使えるせいかオフィスワークでは重宝がられてきた。しかし、最近スマホの使いすぎで腱鞘炎になってしまったため、本格的な両手利きを目指し、大人用の矯正箸で練習を始めたばかりだった。今、この記事を書きながら速攻で見切りをつけた。
(文=佐藤Kay)


参考:「Daily Mail」、「The Guardian」、ほか

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