メダルを獲れなかった東京オリンピア12人を取材! 誰も知らない“五輪のB面”に迫る『アフター1964 東京オリンピック』 著者インタビュー

『アフター1964東京オリンピック』(サイゾー)

 1964年に行われた東京五輪は本当に”美しい”大会だったのか? そんな疑問を投げかけているのが、1月7日に発売された作家のカルロス矢吹氏の著書『アフター1964 東京オリンピック』(サイゾー)である。

 この本では、1964年の東京五輪に出場した元オリンピアンに直接取材を敢行。彼らはその後どんな人生を送ったのか? 彼らにとって東京五輪とはどのようなものだったのか?  膨大な資料と取材に基づいて、知られざる東京オリンピックの裏面史に迫っている。著者であるカルロス矢吹氏に話を聞いてみた。

――この本の内容は雑誌『サイゾー』での連載をまとめたものだということですが、その連載を始めた経緯を教えていただけますか。

カルロス:2016年に、有光洋右さんという飛び込みの選手が旭日単光章を受章されたという話をラジオで聞きまして。その方は1964年と1968年のオリンピックに出場されていて、中学までは体操の選手で、高校から飛び込みを始めたんですけど、最初は飛び込み用のプールなんてなかったから、普通のプールの飛び込み台からくるくる回って飛び込む練習をしていたら、全国大会まで行ってしまったんです。そこで「君は才能があるからちゃんとやった方がいい」って言われて、日大に引き抜かれて本格的にやり始めたんです。

カルロス矢吹

 それを聞いたときに、1964年の東京オリンピックの選手の話ってどれも面白そうだな、と思ったんですよ。マラソンの円谷幸吉さんとか、柔道の岡野功さんとか、メダルを獲った方の苦労話は世に出ているんですけど、選手の過去とかは意外と掘り下げられてないし、メダルを獲っていない人の過去なんてもっと掘り下げられてないので。これは意外と誰もやってないんじゃないかな、と思って調べ始めたのがきっかけですね。

 その時期、ちょうど東京オリンピックをやるかやらないかみたいなことで騒動があったときだったので、『サイゾー』の編集の平野さんに相談したら、連載をやることになったんです。最初はどうなるか分からないけど、行き当たりばったりでやってみよう、っていう感じでした。

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