YouTuberに対するテレビ芸人の本音がヤバすぎる!? 『教養としての平成お笑い史』著者・ラリー遠田×キック対談

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 お笑い評論家のラリー遠田の新刊『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が発売された。この本では、14の事件を題材に、平成のお笑いの歴史を振り返っている。本の発売を記念して、著者であるラリー遠田とサイキック芸人のキックの特別対談が行われた。第5回では、現代におけるYouTubeと芸人とのかかわりについて語る。

画像は「Amazon」より引用

ラリー 改めてお尋ねしたいんですが、この本全体の感想としてはいかがでしたか?

キック めちゃめちゃ面白かったですし、本当に読みやすいですね。それぞれの芸人の歴史を踏まえて、その引き際やターニングポイントっていうのがよく分かりました。この本の中にあった上岡龍太郎さんの言葉も印象的でした。「テレビで面白いのは、素人が芸をやるか、玄人が私生活を見せるか、2つに1つだ」っていう。この理論はすごいですよ。

ラリー テレビはリアルを見せるものだから、素人が背伸びして芸をやろうとして上手くできないのがおかしい。玄人がプライベートな一面を見せるというのも、それはそれで身近に感じられて面白い。でも、玄人が芸をやると、あざといし嫌味に見えてしまう、っていうことですね。改めて考えると、本当にテレビでやっていることってその2つに集約されるんですよね。

キック 必死に芸をつけようと思って、ライブ慣れしすぎてライブでウケるようになると、意外とテレビでハマらないっていうことになったりするから気を付けなきゃいけないんだな、と思いました。

ラリー 『M-1グランプリ』や『キングオブコント』でも、予選のライブ会場ではウケるのに決勝のテレビのスタジオではウケない、っていうことが結構あるんですよね。予選を見に来ているお客さんはお笑いマニアが多いから、最先端のちょっと攻めているネタの方がウケるじゃないですか、でも、決勝はテレビで一般の人が見ているから、ややベタなぐらいがウケたりするんですよね。ここに大きなズレがある。

 さらば青春の光の森田哲矢さんも「『キングオブコント』は決勝までと決勝では全然違う。決勝までは短距離走をやっていたのに、決勝に行ったら鉄骨渡りをやらされるみたいなものだ」と言っていました。

キック 格闘技の世界でも、ライブレベルでは細かい技の応酬を楽しんでもらえるんですけど、テレビ中継されるような決勝になると一般のお客さんは「KOないのかよ」みたいに不満を言ったりするんですよね。ヒジあり、ヒザあり、首相撲ありのムエタイルールは好きな人には面白いんだけど、普通の人にはK-1ルールの方が見やすいんですよ。

 そういう意味では、『エンタの神様』ってプロレスなんですよね。そのつもりでやらないといけない。ただ、どんなに時代が変わっても、すべての宿題に答えられる人っていうのもいるんだろうな。

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