ツイッターを使うと成績が下がることが判明! 優秀な女子ほどバカに… 学者も警鐘「SNSは極めて有害、脳が確実に変化」

■“つぶやく”ことで理解できていると錯覚

 この研究結果を知らされたツイッターの広報担当者は、この件についてノーコメントである。そもそも同社はユーザーの知能向上を目的とはしていないからだ。しかしながらツイッターの“使命”は、この時の高校生の授業の目的とそれほど変わらず「何ら障害のない状態で、新たなアイディアや情報を即座に発信して共有すること」である。

 SNSが人的交流の中で目指す理念は決して間違っているわけではなさそうだが、どうして知的パフォーマンスが低下してしまうのだろうか。バルベッタ教授はツイッターが学習に及ぼす「悪影響の可能性」についての最終的な結論を引き出すには、さらに多くの研究が必要であると言及している。

 SNSの学習ツールとしての可能性はすぐさま却下されるべきではないということだが、さまざまなテクノロジーの長所を生かした活用法を模索するには、いずれにしてもさらなる研究が必要とされている。

 現時点で考えられることとしてバルベッタ教授は、SNSを利用して小説を研究していた高校生の知的パフォーマンスが低下したのは、2つの要因の結果であると示唆している。

 1つ目は、生徒がその内容についてツイッターで“つぶやく”ことで作品を十分に理解したという誤った考えを抱きやすいという点だ。自分の頭の中だけではなく、考えを文字にして投稿・公開することで、自分がよりよく理解していると思い込んでしまうのだ。

 2つ目は、SNSに費やされた時間が、本を実際に読むのに費やすべき時間に取って代わったことだ。SNSでの意見のやりとりに熱を入れるあまり、肝心の作品を読み込む時間が削られてしまうのである。

ツイッターを使うと成績が下がることが判明! 優秀な女子ほどバカに… 学者も警鐘「SNSは極めて有害、脳が確実に変化」の画像3
画像は「Wikimedia Commons」より

 今回の研究は、人間の活動、特に学習が代価なしでサイバースペースに移すことができるという主張に疑問を投げかけるものになっているという。たとえば分析によると、スクリーン上での読書は、豊かな読書体験にはならず、飛ばし読み(スキミング)に相当する行為だと一部からは指摘されている。

 2016年の研究では、パソコンの使用が許可されている教室で勉強しているアメリカ人大学生は、ペンとノートだけで勉強している学生よりもテストの点数が低いことが報告されている。

 SNSやデジタルツールが学習に及ぼす影響についてはまだまだ解明されていないようだが、SNSに意見を投稿することによって、自分がその問題について深く理解していると思い込んだり、我こそ“一家言”あるのだと誇大に膨らむ自己評価へと導く“陥穽”には十分注意が必要なのだろう。

参考:「Science Alert」、ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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