JPモルガンが報告「もうすぐ米ドルは主要通貨から転落する」原因は? 世界混乱、金の購入は75%増加中!
戦後の“スーパーパワー”としてのアメリカ経済を体現する企業の1つであるJPモルガンだが、このタイミングでこのような言及をするのは、何か決定的な理由があるのだろうか。
レポートは世界の準備通貨としての米ドルの下落は歴史を振り返れば避けられないトレンドであり、ほかの市場、特にアジアに資産を配分したほうがよいことを示唆している。
「米ドルの優位性が永続的に続くことを示唆するものは何もありません。実際、何千年前からの歴史上において世界経済の中心地が移動したことで国際通貨の大半が何度も変わりました」(レポートより)
具体的な国際経済の動きや経済政策の話というよりも、大きな歴史的な流れとして、今や米ドルの失墜は避けられないことをレポートは指摘しているのだ。
■アメリカの財政赤字はさらに拡大する
JPモルガンの市場投資戦略会長であるマイケル・センバレスト氏は、基軸通貨としての米ドル下落が不可避であることを説明するために、15世紀以降の外貨準備通貨を分析するグラフを2012年に作成している。
グラフによれば1930年以降にイギリスのポンドに代わって米ドルが世界の基軸通貨に躍り出ているのだが、その“終わり”はすでに記されている。“その日”は21世紀初頭のどこかの時点ということになる。
そしてこの米ドルの失墜の流れを加速させているのがトランプ大統領の経済政策であるという。特に先日、トランプ大統領と議会が政府債務上限を2年間停止することに合意したことが決定的であるという。
アメリカでは債務上限法で、政府の債務残高が一定の水準に達すると新たな借金のための国債を追加発行できなくなるのだが、合意案では債務上限の適用を2021年7月末までの2年間停止することになったのだ。つまり今後の国債の増発は火を見るより明らかで、アメリカの財政赤字はさらに拡大する。
エコノミストのピーター・シフ氏は、今回の予算案は政府の責任の“一線”を越えてしまったことを指摘している。
「これよりも悪い予算の取り決めに署名した大統領はこれまでに誰もいません。彼はそれを“勝利”であるとして共和党員に売りさばいた。しかしそれは共和党員と共和党にとっての損失なのです!」(ピーター・シフ氏のツイッターより)
中国とロシアを含む世界中の中央銀行がこの4月に過去最高の金保有高を記録し、昨年だけでも不安定なドルに対しての防衛策のために金の購入が75%増えているという。つまり資産運用が金へと流れているのだ。
米ドルが連邦準備制度による信用とは別のバックアップを受けない限り、世界の国々は米ドルを回避し続け、21兆ドルの米国の国債は今後さらに増え続けると見込まれている。はたして“その日”はいつやってくるのか、そしてどんな混乱を世界に及ぼすのか、予断を許さない状況がしばらく続きそうだ。
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2024.10.02 20:00心霊JPモルガンが報告「もうすぐ米ドルは主要通貨から転落する」原因は? 世界混乱、金の購入は75%増加中!のページです。経済、仲田しんじ、ドル、金融、IMF、JPモルガン、準備通貨、基軸通貨などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで