「エイリアンを呼べなくなる」中国の月面裏側探査を科学者たちが必死告発! 深刻な事態とは?

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嫦娥4号。画像は「WIRED」より

 今年1月、人類史上初となる月の“裏側”への着陸に成功した中国の月面探査機「Chang’e 4(嫦娥4号)」に対し、意外なところから非難の声があがっている。

 米誌「WIRED」(11月15日付)によると、地球外文明発見プロジェクト「SETI(地球外知的生命体探査)」が、嫦娥4号に強い危機感を表明しているというのだ。どうしてだろうか?

 SETIの地球外文明検知方法はシグナルの受信にかかっている。地球外文明が発する電波を巨大アンテナでキャッチするという気の遠くなるような作業だ。しかも、地球上での検知には重大な問題がある。至るところにテレビ、携帯電話、人工衛星の電波が溢れているからだ。地球は宇宙からのシグナルの受信に最適な場所ではないのである。

 そこでSETIが以前から注目してきたのが月の裏側だ。なぜ月の、それも裏側なのか? それは地球から発せられる電波が月の表面で遮られ、裏側は電波的に“静かな場所”だからだという。地球での電波検知は天体観測をニューヨークでするようなものであり、月の裏側での検知は、何もない砂漠のど真ん中でするようなものだという。SETI研究者らの間では、月の裏側こそSETIの命運を左右するものだと議論されているそうだ。

「今のところ、SETIがダメになったというわけではありませんが、楽観的に見積もっても今後50年でダメになるでしょう」

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画像は「getty images」より

 そう語るのは、国際宇宙航行アカデミーSETI委員会委員長の天文物理学者クラウディオ・マッコーネ博士だ。特に民間会社の宇宙開発への参入が問題だという。

「最も危惧しているのは、民間会社の存在です。私たちは科学者として月の裏側について議論していますが、実業家は月を利益のために開拓したいだけですから」(マッコーネ博士)

 月の裏側に電波望遠鏡を設置すべきだという話は90年代中頃からあったという。当時は携帯電話も普及していなかったが、電波天文学者のジャン・ハイドマンは地球上ではいずれ地球外文明探査は難しくなると見抜いていたそうだ。

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