ご利益だらけの「貧乏神神社」に潜入! 奇妙な参拝法、濃すぎる祭主…「貧乏神さん、さようならー!!」
櫻井さんの風貌もユニークだった。白衣を纏い、白髭を伸ばし、白髪を後で束ねていた。歳は重ねていたが、「参拝者」に向けた説法は、ある意味で説得力のあるものだった。
「私が言う『貧乏』というのは、お金のことではないんです。『心』の貧しい人が一番の貧乏人なんです。人間というのは、何千万、何百万あっても足りないんです。それに対して、お財布は薄くても豊かな『心』を持っている人もいるわけです。と、言ってもお金は大事です。貧乏神は、自分で切るしかありません。弱い心を叩くしかないんです。ここに来て『不景気なのに仕事やお客さんが増えた』、『宝くじが当たった』、『資格が取れた』、『試験に受かったー』。『腰が痛かったのが治った』という人はいっぱいいます。こんな神社はないでしょう!」
「参拝客」がやって来ると櫻井さんは、必ず社務所から出て、彼らを迎え入れていた。大型バスであれ自家用車であれ、その接し方は変わらなかった。そして、「参拝者」の中に病気を抱えている年配者がいると『気』を入れてあげていた。『気』を入れてもらった年配の人は、「あぁ〜、首が楽になった」、「足が軽く動くようになったわ〜」と言って笑顔を浮かべながら帰って行った。櫻井さんは、「大阪の電気会社の社長でね、Kさんという人がいます。この社長は、ここに来てから半身不随が治っちゃったんですよ。もう5回も来ているんです」と言うと嬉しそうに笑みを浮かべていた。
拝殿の壁には、数百枚の「のし袋」が張られていた。これらは、ここに来た人たちが持って来たものだ。今から6年くらい前、名古屋市内から「参拝」に来ていた女性(69=当時)は話す。
「3年くらい前に温泉の帰りに寄りました。『どうか宝くじで1千万円当たりますように~!』ってお願いをしたら、本当に500万円当たったんです。お賽銭は100円だったんですよ(笑)。こんなこともあるんですね。ウチは年金生活ですが、長年夫婦でクリーニング店を営んでいましたので、退職されたサラリーマン家庭のような金額をもらうことはできません。10万でも20万でも助かるんですが、その何倍ものお金が入ってきたんですよ。今回は、そのお礼をしたくて来たんです。もう貧乏神様々ですよね(笑)」
この女性は、笑顔で櫻井さんに挨拶をすると、赤いバットのようなものを握って柱を3回叩いた後に3回蹴って、「貧乏神さん、さようならーー!!」と叫びながら拝殿の奥にある『的』に豆を投げつけていた。
「貧乏神神社」の入口にある社務所に置かれていた様々なお土産も飛ぶように売れていた。「開運パワーマーク付き札入れ」や「パワーマーク入りきんちゃく袋」、「パワー肩たたき」などから「信州味噌」まで。相当な売り上げがあったことだろう。
「「貧乏神神社」は、『祈願するところ』ではありません。『心を清めるところ』なんです。この神社の教えは『災禍転福』です」と常々言い続けていた櫻井さん。病気に負けることなく、いつまでも長生きしてもらいたい。
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2024.10.02 20:00心霊ご利益だらけの「貧乏神神社」に潜入! 奇妙な参拝法、濃すぎる祭主…「貧乏神さん、さようならー!!」のページです。貧乏神神社などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで