時間は「消えたり伸び縮みする」と確定! 過去・未来・原因・結果は存在せず… 時間を伸ばす方法も判明!

「熱力学第二法則」であるいわゆる“エントロピーの法則”は、たとえば氷を熱い紅茶に入れればすぐに溶けるが、その逆になることはない。そしてこの変化は時間の経過がもたらしたものではなく、単に熱量の差によるものである。しかしながら我々の一般的なイメージでは、物事の変化は時の経過によるものだと思いがちであり、これが我々の時間の観念を生み出しているのだという。

「エントロピーの増大は時間を方向づけ、“過去”が存在していたことを印象づけます。そして、これらは私たちのアイデンティティの感覚を結び付ける記憶の基礎になります。時間が“流れる”感覚というのは、物理学の世界のことではなく、脳の構造の問題です。進化は私たちの脳を、未来を予測するために記憶を蓄える“機械”に作り上げました。したがって、時間は物理学よりも神経科学の領域である可能性があります。物理学によって時間が流れる感覚の説明を探すのは間違いかもしれません」(カルロ・ロヴェッリ氏)

 物事の変化は必ずしも時の経過が原因なのではないとすれば、グリニッジ標準時的時間が経過しても何も変わらないケースもあり得ることにもなる。例えば人間の実年齢などは肉体のコンディションを示すものとしてあまり意味を持たないのかもしれない。

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画像は「Wikimedia Commons」より

■注意を傾けることで時間が“伸びる”

 時間が前に向かって進んでいるという一般的な認識に疑問符が投げかけられているのだが、そもそも我々の主観的な時間の感覚も時と場合によって大きく異なるのは誰もが実感しているだろう。

 時を忘れて何かに熱中する体験もあれば、いつもと変わらないルーティーンワークをこなし1日がつつがなく終わる場合もあるだろう。例えば身の危険を感じる恐怖体験では、我々の脳は大量のアドレナリンを放出し、これにより体内時計が早まり外界がゆっくりと動いているように感じることが各種の研究でわかっている。アスリートが“ゾーン”に入る体験でも、周囲がスローモーションのように感じられることが多くの選手から報告されている。

 米・セントトーマス大学のアーロン・サケット准教授は、こうした時間の“伸び縮み”は物事に注意(attention)を傾けたときに起こると説明している。

「現在の時間の流れについて考えている場合、時間の認識に影響を与える最大の要因は”注意”です。時間の経過に注意を向けるほど、時間の経過は遅くなります。たとえば空想にふけることなどによって、時間の経過を見失う可能性が高くなります。『楽しんでいるときは時が足早に過ぎていく』と彼らは言いますが、実際には『他のことを考えているときは時が足早に過ぎていく』ようです。また、議論が白熱しているときや、大事なプレゼンテーションの直前など、あなたが間違いなく快適ではない時もしばしば時が早く過ぎます」(アーロン・サケット准教授)

 楽しい時間はアッという間に過ぎていくというのは本当は正しくなくて、実はその時間をめいっぱい余すことなくギリギリまで楽しんでいるのであって、後から思い返すとアッという間だったように思える体験ということになる。一方でボンヤリと考え事をして過ごした時間などのほうが実際は“アッという間”なのだ。

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