MITが「隕石の地球衝突」を防ぐプログラム開発に本腰! いよいよ地球滅亡だ… 最悪の2つのシナリオとは!?
■起こり得る2つのシミュレーション
では、どうやってキーホールを通り抜けてしまった小惑星の軌道の進路を変更できるのか?
2007年にNASAが米国議会に提出した報告書では、最も効果的な方法は小惑星を核ミサイルで攻撃することであると結論づけられている。しかしこのオプションは、地球の衛星軌道上にかなりの量の核廃棄物を残し、それらが最終的に大気圏に再突入して地上に落下してくる可能性があり、危険であると言わざるを得ない。
より良い選択肢は、ビリヤードで球を打つのと同様に、ロケットや大きな発射体などを小惑星にぶつけてその衝撃で進路をずらすことである。しかし、この解決策は適切なタイミングとインパクトで正確に“狙い撃ち”することが求められるため、使用するロケットや発射体にかなりの程度依存し、相応の不確実性が伴う。
プログラムをテストするために、ペク氏のチームは2つの既知のNEO(地球近傍天体)であるアポフィス(99942 Apophis)とベンヌ(101955 Bennu)の挙動から、いくつかのシミュレーションを実行し、いつキーホールを通り抜ける可能性があるのかを検証している。
シミュレーションの結果、痛感せざるを得なくなったのは、このミッションが“時間との勝負”であるということだ。
NEOの中の地球衝突の可能性のある小惑星がキーホールのポイントに到達するまでに5年が残されているシミュレーションにおいては、まず最初に2機の偵察機を送り込み、1機が小惑星に体当たりしてインパクトを与え、もう1機がこの小惑星についての詳細なデータを収集して作戦本部に伝える。その情報に基づいて“真打ち”となるフルサイズの宇宙船を送り込むと、正確に小惑星にぶつけて軌道を完全に逸らすことに成功したことが示された。
小惑星がキーホールに到達するまでに1年未満しか残っていないシミュレーションにおいては、残念ながら偵察機を送り込むにはもはや遅きに失し、体当たり攻撃のためのフルサイズの宇宙船を緊急発進させても間に合わない可能性があることが導き出された。したがって、いち早く危険な小惑星を発見することが肝要ということになる。
今回のMITの取り組みが杞憂に終わることを望みたいものだが、これまで為す術がなかった小惑星衝突の回避への果敢なチャレンジは、まさに人類の叡智が試されている案件なのだろう。
参考:「Daily Mail」、「MIT News」、ほか
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