MITが「隕石の地球衝突」を防ぐプログラム開発に本腰! いよいよ地球滅亡だ… 最悪の2つのシナリオとは!?
人類の“滅亡シナリオ”のひとつである地球への小惑星衝突を回避する術はあるのか? MIT(マサチューセッツ工科大学)の研究チームはこの危機に備えて、地球に衝突する可能性を持つ小惑星の軌道をいち早く特定し、対処の最善策を提示するプログラムの開発を急ピッチで進めている。
■小惑星の“キーホール”到達を阻止
目下の新型コロナウイルスも、捉えようによっては感染症や疫病というタイプの“人類滅亡シナリオ”の枠内といえるが、小惑星の衝突は人類のみならず地球上の生物の“大量絶滅”につながる絶望的なカタストロフィーになり得る。
小惑星や隕石の地球衝突は“天災”であるが故、人類にとって不可抗力であり地球上の生物は甘んじて受け入れるしかない。しかし各種のテクノロジーが発達した今日、この件に対して人間の側から打てる先手はあるのだろうか。
MIT(マサチューセッツ工科大学)の研究チームが先日、壊滅的な小惑星衝突のケースで直面し得る“世界の終わり”に対処する“最善手”の特定を支援するコンピュータープログラムを開発したことを公表している。
専門家は、毎晩のように「地球近傍天体(Near Earth object、NEO)」と呼ばれる惑星が新たに2、3発見されていると指摘している。これら地球近傍天体の1つがどこかのタイミングで地球に衝突するコースに乗ることは将来的に避けられない。
「小惑星がすでにキーホール(keyhole)を通過して地球との衝突への軌道に乗っている時、土壇場で進路変更を可能にする、考えられるすべての戦略を考慮しました。私は、地球に衝突する前にキーホールの通過を防ぐことに興味があります。混乱の少ない先制攻撃のようなものです」と、MITの航空宇宙工学科のサン・ウク・ペク氏は「MIT News」に語る。
キーホールとはまさに鍵穴のように狭い特定の領域なのだが、万が一ここを小惑星がピンポイントで通り抜けるようなことがあれば、地球の重力の影響が及び軌道が変わり、最接近時に地球に衝突してしまうのである。
ペク氏のチームは、影響を予測する前の小惑星の質量、運動量、軌道、および時間を評価するプログラムを設計し、地球衝突の大惨事を回避する重大な意思決定を支援する。
キーホールは正確には重力キーホール(gravitational keyhole)と呼ばれ、小惑星の軌道経路が地球の重力場を通過し、高度を徐々に下げて行く空間のポイントである。
このポイントに到達する前に小惑星を検出できた場合は、コースのわずかな修正(場合によっては1秒あたり数センチ)によって軌道を変更できる。しかしこの措置をとるにはためらうことなく断行しなければならず、もしミスをすればリカバリーできる余地はほとんどない。この難しい判断をできるだけ早く、そして最も成功の可能性が高い方策を提案するのが今回のプログラムなのである。
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