公園でホームレス体験、西成で泥酔、山谷で包丁出され、精神病院に入院、オウムに潜入
公園でホームレス体験、西成で泥酔、山谷で包丁出され、精神病院に入院、オウムに潜入…絶版&発禁の男・村田らむ全著作振り返り!
●ユニバーサル・スタジオ・ジャパン裏マニュアル(2002年/データハウス)
『こじき大百科』が絶版になった後、データハウスがくれた仕事である。
「ホームレス!! 樹海!! ゴミ屋敷!!」みたいな、強めなネタを売りにしている今から思えば、ユニバの本はいかにもゆるい。
時期はユニバーサル・スタジオ・ジャパンができて一周年の頃だった。
一週間、オープンからクローズまで毎日通った。とにかく予算がなかったので、西成のドヤに泊まって、通っていた。
フィルムカメラの時代だったが、とにかくフィルムは高い。経費は出ない自腹なシステムだったから、一枚一枚撮影するのに身を削られるような思いがしたのを覚えている。
それなりに頑張って作ったが、本が出るタイミングでユニバはめっちゃ叩かれることになる。ショーで使う火薬が多すぎた、飲料用じゃない水を提供していた……などなど杜撰な体制が暴露された。覚えている人もいるのじゃないだろうか? 最悪なタイミングでの発売になり、売上も伸びなかった。
社長や編集に、軽くイヤミを言われた覚えがある。でもそれって僕は悪くないよなあ……といまだに思うのであった。
●犯罪潜入ルポルタージュ(2004年/コアマガジン)
少し間が空くが、別にスランプだったわけではない。
サブカル雑誌からはたくさん仕事が来ていて、それをこなすだけで手一杯だった。
単行本を作りたいという気持ちはあったが、なかなかチャンスは巡ってこなかったし、持ち込む時間もなかった。
この本は当時たくさん書いていた『裏ブブカ』に書いた記事をまとめたものである。
今回の記事で紹介する本の中では一番入手困難だと思う。まずこの本は雑誌である。だが、著作は僕だ。
表紙に名前は書いてあるのだが、編集長の意地悪で極端に小さくクレジットされた。見てもらったら分かるが、本当に小さい。すごく落ち込んだし、いまだにムカついている。
最近、よく思うのは
「意地悪な人と仕事をするな」
ということである。
意地悪でも、金回りが良かったり、如才ない人はいて、まあ我慢するかと思うことはあると思う。でも意地悪な人と長く仕事をしていたら、絶対に精神を削られる。特に相手に絶対的な権限がある場合はそうだ。
中島みゆきの『宙船(そらふね)』の歌詞で言うところの
「おまえが消えて喜ぶ者に おまえのオールをまかせるな」
である。
実力があるならばきっとまた仕事は来る。実力がないなら、それまでだ。
『裏ブブカ』でやった企画は、「精神病院に入院する」「野生動物を狩りにいく」「オウム真理教の後継団体に潜入する」「自己啓発セミナーに潜入する」など、強烈なものが多い。
OKOWAという怪談グランプリに出演させてもらった時に、いくつか語らせてもらったら、それが随分話題になったようだ。
「あの話恐いですね!!」
と話しかけられることも多い。
書籍化が思った形でいかなくてほぞを噛む思いをした当時の自分が、ちょっと救われるような気がした。
この本は今は入手は困難だ。
この頃の取材の話は、現在『別冊本当にあった愉快な話』(竹書房)で漫画化している。数が貯れば単行本化されると思う。
また、その他の形でもアウトプットしたいと考えている。
例えば、トカナで連載とかしたらどうだろう? 読みたいですかね? (※ぜひお願いします@編集部)
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