公園でホームレス体験、西成で泥酔、山谷で包丁出され、精神病院に入院、オウムに潜入
公園でホームレス体験、西成で泥酔、山谷で包丁出され、精神病院に入院、オウムに潜入…絶版&発禁の男・村田らむ全著作振り返り!
●ホームレス大図鑑(2005年/竹書房)
そうして2005年になって再び、ホームレスの単行本の企画を提示された。
編集さんは『こじき大百科』のファンだった人で、もう一回作りましょう!! と誘われたのだ。
一度、思いっきり爆死しているネタだし、大丈夫ですか? と訝しみながら聞いた。
竹書房は
「そういうのうちは大丈夫だから。なんかあったら絶対に守るから」
と、しっかりと約束をしてくれたのである。
まあそこまで言うならばと思い、再びホームレス取材の日々が始まった。
全国のホームレススポットを渡り歩いて、何百人にも話を聞いた。『こじき大百科』では横浜のドヤ街寿町の取材をしなかったのが心残りだったので、果たせてよかった。
そして発売になった!!
で、やっぱり同じように、団体に抗議された!! ぎゃふん。
会社の前でシュプレヒコールをされて、抗議ビラを配られた。
守ってやると言っていた、竹書房は秒で折れた。偉そうな人に呼ばれて、
「絶版にする」
と言われた。
抗議している団体に対して謝罪も要求されたが、それだけは絶対に飲まなかった。
同じ轍は踏みたくなかったからだ。こうして僕の単行本2冊めの絶版回収が決まったのである。
2冊絶版になったというインパクトは大きく、いまだに
「村田さんの本って、全部絶版になってるんですよね?」
とか言われる。
いや20冊出して、2冊である。10%である。消費税くらいのもんである。
まあそれでも十分多いけどサ。
●東京Dスタイル食堂(2008年/アクセス・パブリッシング)
『生本』という小説雑誌があったのを覚えている人はいるだろうか?
東京カレンダーなどを出すアクセス・パブリッシングが出していた雑誌で、群ようこ、角田光代などが連載していた。
サブカルアングラ雑誌ばっかりで書いていた僕としては珍しく、真面目な小説雑誌に長期に渡り連載をさせてもらっていた。
東京各地の定食屋を食べ歩く連載だった。
連載をまとめたのが、この単行本だ。
取材をしていた2000年代前半頃から、街の定食屋はどんどん潰れてしまった。この本に載っている定食屋さんも大半が潰れてしまったのではないだろうか?
そういう意味では、東京各地の定食を味わえて良かった。すっごい汚い店や、店員同士が怒鳴り合ってる店、など普通なら紹介しないだろって店も登場させている。
今でも、アマゾンで紙の本、Kindle版、どちらも買えるので興味がある人はどうぞ。
●ホームレスが流した涙(2009年/ぶんか社)
ホームレスの泣けるバージョンを書きませんか? と言われた本だ。
ちょっと砕けた雰囲気で書いた『こじき大百科』を、泣けるように変更した。どんな仕事でも、楽しくやるが、この仕事は苦痛だった。しかも、編プロの編集者が先にも出てきた、
「おまえが消えて喜ぶ者に おまえのオールをまかせるな」
の人だった。
ただ、この本が一番好きと言われることもまれにあるし、入門編としては悪くないかも知れない。
現在でも、Kindle版を読むことができる。
<イベント情報>
【出演】
村田らむ
【ゲスト】
角由紀子
【配信日時】 6/11(木) 20:00~21:30(予定)
【配信チケット】1,500円(税込)
《アーカイブについて》
配信終了後から6/18(木)23:59まで視聴可能です。
(その間も配信チケットご購入頂けます)
リアルタイムでのご視聴ができない方は、アーカイブでお楽しみください!
<チケットはこちらから>
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