韓国の「圧倒的につまらないテーマパーク」アインスワールドに村田らむが潜入! 人類滅亡の終末感が味わえる閑散ぶりを堪能! 

――B級スポット、樹海や禁断の土地、ホームレス取材を得意とするルポライター村田らむが寄稿!

 韓国キョンギドのプチョン市に全然流行っていないテーマパークがあるという情報をゲットした。

 名前は『アインスワールド』である。

 会場の近くまで、バスで行くことにした。

 テグでの新型コロナウィルスの集団感染が発表された翌日だったので、街はかなり過敏な雰囲気になっていた。街行く人のほとんどはマスクをしていたし、マスクをしていない人は警戒された。

 バス停ではスピーカーで新型コロナウィルスに対する放送が流され、バス内では、「マスク、手洗いしましょう」というテーマの映像が大きいモニターで流されていた。

 当時はまだ危機感が薄く、マスクを付けずにバスに乗り込むと、近くの人達が離れていった。さすがにちょっと申し訳ない気になった。

 バスの車窓から流れる町並みを眺めるが、人が全然いない。

 普段の様子を知らないから、確定的なことは言えないが、やはり新型コロナウィルスの影響で閑散としているのだろう。

 まるで閉館後の遊園地に入ったような光景を見ていると、少し憂鬱な気持ちになってきた。

 そうしてしばらくバスに揺られた後、『アインスワールド』の近くにあるバス停で降りた。

 バス停の近くの道路には重機が何台も並べられていた。

 不法駐車だろうか?

 近くに、公園があったので

「ここかな?」

 と思って入っていく。なんとも寂れた雰囲気の施設だった。人の気配は全くない。トイレも閉鎖されている。そして、ぬかるんだ歩道にはトラックの轍が無残な感じで残っていた。

 公園の真ん中には、人差し指を上に突き上げているオブジェが見えた。近づくと、どうやら竹でできているようで、腐りかけていた。

 夢や目標をイメージして作ったオブジェなんだろうけど、なんだか泥の中に沈んで行く人の手に見えた。

 それ以外にはテントを建てる施設などがあったのだが、どうにもテーマパークがあるという感じではない。

 ここじゃないなと思い、もう一度、しっかりと地図を見ると、少しばかり離れた場所にそれらしき施設があることがわかった。さすがにテーマパークがこんなに寂れているわけはないよな、と自嘲しながらそそくさと移動した。

『アインスワールド』の周りには、やたらとキャンピングカーがたくさん泊まっていた

 キャンピングカーのレンタル会社が、不法駐車しているのかもしれない。

 歩いている人は全くいない。段々心細い気持ちになってきた。

 そしてなんと……『アインスワールド』は先程の公園よりもさらに寂れていた。

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