【必読】放水車の絵を「砲撃計画図」とでっち上げられ……スパイ罪で服役の日本人釈放で思い出される「毛沢東暗殺未遂『冤罪』事件」(後編)

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 このほかにも、中国側による総括には不自然な点が多い。調査報告書の中では、82mm型迫撃砲、拳銃2丁、手榴弾8個、60mm砲弾及び各弾薬650発以上、毒薬2つ……と、多数の武器弾薬が押収されたこととになっているが、証拠は存在しない。なにせ、当時の人民日報が掲載した押収品の写真には、ひとつの砲弾しか映ってないのだ。さらに60㎜式砲弾が押収されたこととなっているが、当時の新聞には中華民国製20㎜式砲弾と報じているものもある。そもそもリーヴァは武器商人であり、自宅から武器弾薬が出てきても何ら不思議ではないのだ。

 また、犯人の一味として逮捕されたマルチーニは、山口・リーヴァの逮捕から7カ月たって逮捕されている。しかし、この期間証拠品となる武器などを隠す様子もなく、逃走すらしていなかったことは不自然というほかない。

 しかし、それにしてもここまで粗だらけの嫌疑で、山口とリーヴァはなぜ処刑されなければならなかったのか? ジャーナリストの周来友氏は話す。

「当時は、『反革命的』というレッテルを張られ、中華人民共和国建国の1949年から1953年までに200万人以上の人民が逮捕され、70万人が処刑されました。そんな状況なので、司法など機能していない。当局は、密告を受ければその信ぴょう性を吟味することもなく、反革命分子を捕まえて処刑場に送っていた。そのなかに、外国人がいたというだけの話でしょう」

 ちなみに米駐在武官だったバレットの黒幕説に至っては、71年に周恩来首相(当時)が誤りだったことを公式に認めており、バレットの訪中を歓迎する旨を示していたことが明らかになっている。また、イタリアでは2008年に、女性ジャーナリストがリーヴァの足跡をたどった著書が上梓されたが、そこには「リーヴァの事件は、我々が捏造した部分も多い。もしリーヴァがいなければ、別の人間を別の見つけたまでだ」とする中国公安元幹部の告白も記されている。

 中国では、2014年に反スパイ法が制定され、半世紀ぶりに亡霊のように密告制度が復活した。山口やリーヴァのような冤罪が、今後どれだけ生まれるのだろうか……。

編集部

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