収入が増えるほど“青天井で”幸福度が高まると判明!! 最新研究が定説を一刀両断… コロナ禍でさらに格差拡大、「絶望死」爆増へ!
「昔はよかった」と懐かしんで過去を高く評価するのは多くの場合、偏見であり「認知バイアス」なのだが、それは必ずしも偏った見方ではないことが示されている。ある種の人々にとって、今よりも昔のほうが幸せであったというのだ。
■収入が増えるほどに青天井で幸福度が高まる時代
コロナ禍による“ステイホーム”の時期にはなんとなくテレビを眺める時間が増えたという向きも多いだろう。日本では1980年代の映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズなども地上波でオンエアされたが、この時代の映画に映り込んでいる人々を見て、なんだか呑気で幸せそうな印象を受けた人が多いかもしれない。
「昔はよかった」と懐かしみ、昔を高評価する傾向のことを「過去美化バイアス」や、「バラ色の回顧(rosy retrospection)」などと呼ぶが、これはあながち偏見やバイアスが介入しているわけではないことが最新の研究で報告されている。ある種の人々は40年前のほうが確かに幸せであったというのだ。
米・サンディエゴ州立大学とリン大学の合同研究チームが2020年6月に「Emotion」で発表した研究では、人々の幸福度と社会経済的地位 (socioeconomic status)の関係を40年前までに遡って調査している。
研究チームは「General Social Survey、GSS」から入手した1972年から2016年までの4万4198人の成人アメリカ人のデータを分析した結果、幸福度と社会経済的地位の関係性は40年前から日を追うごとに強くなっていることが示された。
2010年の米・プリンストン大学の研究では、年収が上がるほどその人物の幸福度は高まるが、それには上限があり、年収が7万5000ドル(約800万円)を超えると幸福度はそれ以上高まらないことが報告されている。
しかし今回の研究ではそれに反し、7万5000ドルを超えても、収入が増えるほどに幸福度が高まっていることが示唆されることになった。
「収入が幸福度に非常に強く関連していて、幸福度が収入の特定レベルで頭打ちにならないことに驚きました。基本的なニーズが満たされた後でも、より多くのお金はより多くの幸せに比例するようです」と研究チームのジーン・トゥエンゲ氏は語る。
2010年の研究を覆す結果が示された今回の研究だが、これにはどうやら時代性が色濃く反映していることも浮き彫りになった。1970年代と80年代では収入と幸福にそれほど強い結びつきはなかったのだが、現在に近づくほどに収入と幸福がより強い結びつきを見せていたのである。
たとえば2020年の現在となっては、年間16万ドル(約1700万円)以上を稼ぐ大人は、年収11万5000ドル(約1300万円)から16万ドルまでの者よりも幸福感が高いのだ。
つまり今の時代は収入が増えれば増えるほど、青天井で幸福感が高まる時代になっているのである。逆に言えば、30~40年前までは収入が低くともある程度は幸せに生きられたともいえる。「昔はよかった」としみじみ振り返って懐かしむのも無理もないことだったのだ。
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