もしも消防署を民営化したら…「最恐の事態」が! 格差社会で貧乏人は家が火事になったら放火される!?

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画像は「Getty Images」より引用

■民間消防署

 最近は何でも民営化しようとか言い出す政治家がいますが、デンマークでは消防の70%もが民営です。世界最大の民間消防会社ファルクが一社で独占しており、国土の70%は公的消防機関がなく民間委託になっています。

 1906年10月3日、コペンハーゲンに最初の私設消防署(ファルク・ステーション)を開設したのが始まりという創業100年以上の歴史がある民間消防署です。社名は創設者ソーファス・ファルク(Sophus Falck)の名字に由来します。

 なお、玩具のレゴブロックを作っているレゴ社と同じ資本系列に属する関連企業のため、レゴ社はファルクの消防車の意匠を自由に使えます。もともと木工家具の製造・販売業だったレゴ社が、玩具を作り始めた理由が「生産工場が火事で全焼したから」というのはいささか皮肉です。

画像は「Falck」より引用

 そもそも、消防署が火事が起きて消火活動するたびに報酬がもらえる仕組みとはどんなものなのか?

 創業当時のファルク社の業務は依頼者の財産保護でした。つまり、消火だけでなく燃えている建物の中から貴重品を運び出して契約者の財産を保護することが仕事でした。そして、守ることができた財産分だけ報酬をもらう経営をしていました。一種のサルベージ業のようなもので、飛び込む場所が海の中ではなく火の海の中という点が異なるだけ……ともいえます。

 2019年現在、ファルクが民間消防署を設置している国はデンマークをはじめ、ベルギー、ブラジル、チリ、フランス、ドイツなど16カ国に及びます。日本の消防団のようなボランティア組織ではなく営利企業としてです。

 そして、近年の地球温暖化に伴い火災頻度が増加しているアメリカでも、民営消防署が急増しています。

 それらは保険会社の資本傘下の企業で、火災保険のプレミアムオプションに入っていると公的な消防署とは別に、民間消防署の消防車が来て助けてくれます。民間なので契約外の家が燃えていても無視します。最優先で契約物件を火災から守るのです。

 保険会社は、家が全焼した場合に建て替え費用を払う代わりに、事前に消火することで全焼を防ぎ、保険金を払わないで済ます……という仕組みです。プレミアムオプションの保険料は年間1万ドル(100万円以上)もするため、郊外に住む富裕層以外は加入したくてもできません。

 なんで加入者が増えたのかと言うと、森林火災の増加です。

 大規模森林火災が家の近くまで押し寄せてくると、公的消防署は火災全体の被害の抑制を優先して住民を避難させるだけで、個人の家の消火を後回しにします。

 火災保険で保険金はもらえますが、家と共に燃えて灰になった財産は戻ってきません。しかし、家の焼失を防いでくれるプレミアムオプションをつけておけば、家が焼けないで済む確率がグッと上がるのです。

 特に問題なのが、博物館など貴重な文化遺産を大量に抱えている大きな建物です。文化財の全てを持ち出すことなど不可能ですので、博物館は民間消防署に頼らないと文化的にも経営的にも“死ぬ”のです。

 それにしても、このシステムは全力で時代に逆行しています。なぜなのか。消防団の歴史を見てみましょう。

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コメント

1:匿名 2020年1月5日 14:59 | 返信

家が火事になったら放火される、というパワーワード

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