もしも消防署を民営化したら…「最恐の事態」が! 格差社会で貧乏人は家が火事になったら放火される!?
保険契約者が都市部郊外にまで広まると、最初からフリーランスの消防車に任せてしまい、保険会社が消防署を設置しない地域も出るようになりました。
つまり、欧米諸国の大半では19世紀になっても、火災保険マークが付いていない家は火事になっても消火してもらえずに放置されていたのです。
1833年、ロンドンの10の民間消防団が合併してロンドン消防署が編制されますが、火災保険の契約者の増加と火災の頻発により消防団の経費が保険会社の経営を圧迫するようになります。
さすがに契約者以外は焼け死んでも無視する消防団の経営方針は、深刻な富裕層と平民の軋轢を生むようになり、保険会社は全ての消防団を公費運営にするように議会に働きかけました。そして、1865年にメトロポリタン消防隊法が成立し、ロンドンの消防団は公営化してメトロポリタン消防隊となります。
メトロポリタン消防隊法が成立して以後、世界中で無償で火事を消してくれる公的消防団がつくられるようになり、現代の制度に落ち着きます。
欧州における消防団の歴史はすごいことにローマ帝国で設立されたというのに、1500年以上も不在期間があったのです。中世時代がいかに暗黒時代だったのかがよくわかります。
これに比べると、なんか、日本の火消しの先進性がものすごい気がするんですけど……。
ところで、消防が利益を生み出す商売になってしまうと、大変な事も起きました。消防士が報酬欲しさに放火する事件が頻繁に起きるとんでもない事態になっているのです。
いわゆる「マッチポンプ」は和製英語で、英語では消防士の放火(FireFighter Arson:略称FFA)と呼びますが、アメリカでは逮捕者が年間100人前後出ている深刻な問題で、2006年にはカリフォルニアで放火により5人を殺害したとして消防士に死刑判決まで出ています。また2016年には、残業代目当てに複数回山火事を起こした消防士が禁錮5年と賠償金24万6832ドル(約2800万円)の支払いを命じられています(AFP BB News)。
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2024.10.02 20:00心霊もしも消防署を民営化したら…「最恐の事態」が! 格差社会で貧乏人は家が火事になったら放火される!?のページです。火事、消防、火災保険、民間消防署などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで