コロナとは別の「第3波」バッタ大量発生の悲惨な現状! バッタが「別ルート」選択か、ロシアやベトナムでも急増…本格的食糧難へ!?

 中国のバッタ被害は世界に波及する。最近は都市封鎖の影響や、国土を横断する長江の水害などで食糧不足に陥っており、一部では「食料品店の棚から米や穀物が消えたところもある」との話もある。災害が続く中でバッタの被害も広がれば、パキスタンのみならず、アフリカや北朝鮮への食糧支援にも影響が出る。

 またヨーロッパでは、6月にイタリア地中海のサルディーニャ島がバッタの襲撃を受け、過去60年で最悪の農業被害が出たと伝えられている。パラグアイ、アルゼンチンなど南米各国でも同様。特に南米は世界でも穀物の生産量がトップクラス、アジアや中東、ヨーロッパに大量の輸出をしていることで中国同様、世界的な影響が恐れ始めている。

 流通関係者の話では、「もしブラジルまで被害が拡大して生産量が落ちれば、ベトナムとイランあたりはトウモロコシなど穀物が急速に不足する」という。

「日本はアメリカから多く輸入しているのですぐに大きな影響は出ないまでも、食糧難の負の連鎖もあり得ます。たとえばブラジルから大量輸入している中国が他から高値で買い漁れば、被害が少ない国でも食糧難ドミノが起きるんです。いま中国とインド、アフリカ東部が食料に困ると、世界人口の4割近い人々が食糧争奪に走ることになります。すでにパンデミックの影響で世界の食糧価格は、過去40年で最速の上昇ペースになっていて、食料自給率38%の日本は欧米より先に倒れる危険性があって、感染拡大で航空機が減れば、危機度はさらに倍増します」(流通関係者)

 この食糧危機では、イスラム過激派ボコハラムなどテログループによる略奪も起きており、治安悪化も問題化。本来、こうしたケースでは各国が支援を集めるのが通例だが、なにしろコロナ苦境で、国連食糧農業機関が9億ドルの資金提供を各国に要請しても、各国の財政が厳しく、半分も集まっていない。

 また、東アフリカの各地では政府の認可してない強力な殺虫剤を大量散布したために、人々や土壌に異常が起きているとの情報もある。新型コロナウイルスではマスクの価格が暴騰したが、それより怖いのが食糧の高騰である。北欧の調査機関の推察では、世界的食糧難が3カ月続くと、日本で備蓄がなくなるトウモロコシが1本4000円になる事態もありうるという。いま「コロナウイルスなんてただの風邪」と楽観視するような人々は経済優先を叫んでいるが、食糧問題はいくらカネがあっても解決はしない危機なのだ。

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文=高山登/NEWSIDER

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