愛液が3リットルも入る「女性器愛液用採取器」、大奥で使われた「べっ甲製ディルド」…超貴重性文化を伝える「性神の館」に潜入取材!

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クジラの女性器

 館内では、館長さん(取材当時65歳)による解説を聞くことができた。性に関する信仰や伝説、風習、石仏などの話をしてもらえる。ユニークな解説は、聞いていて楽しかった。

 「この施設は、初代館長の父親が開設したものになります。父は『聖神研究家』だったんですよ。『郷土史性文化研究家』とでも言えばいいでしょう。性神、道祖神なんかを撮影しに行っていました。コレクションもしていましね。私が2代目になります。この施設には、エロいものを展示していないので、「性文化伝承博物館」だと思っております。私も興味を持って集めましたし、父親が集めていたものも展示されています。良いコラボになってると思いますね。大奥で使われていたべっ甲は私のおじいちゃんのおじいちゃんが持っていたものです。4代前のものですね。実際に使われていたものだと思いますよ。江戸末期のものです。喜多川歌麿が描いた春画は、先祖代々引き継いできたものです」(「性神の館」館長さん)

 「秘宝館と違ってここは、一度来たお客さんが、2回3回と来てくれています。性神信仰や性のお祭りに関する資料も集められているので、性について学ぶことができるようになっているんです。昭和50年8月1日オープンなので、オイルショックが始まった頃からですね。物珍しさで大勢の人が来ました。私の時代になってから案内をするようになりました。どうしたら面白く見てもらえるかを考えて案内を始めました。平成4年からですね。最終日の今日は、ツイッターなどのSNSで知った人がたくさん来てくれました。遠くは、愛知県から車で来た方がおられました」(「性神の館」館長さん)

 館内には、日本はもとより世界中から集めた性に関する貴重な資料が展示されており、学術的な価値のあるものを見ることができた。最終営業日となる6月29日には、朝早くから大勢のマニアが足を運んだ。「性神の館」が再開されて、これらの展示物が見られるようになることを望みたい。

文=酒井透

写真週刊誌「FOCUS」(新潮社/休刊中)編集部カメラマンを経て、現在、秘境・不思議スポット探検家/写真家として活動中。「FOCUS」時代には、逮捕直後の宮崎勤をスクープする。国内はもとより、これまでに50カ国あまりで取材活動を行っている。著書に『中国B級スポットおもしろ大全』(新潮社)、『未来世紀 軍艦島』(ミリオン出版)などがある。最新刊は、『軍艦島 池島 長崎世界遺産の旅』(筑摩書房/共著)。
Twitter:@toru_sakai

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