【取材】ルイ・ヴィトン柄の作業着「ドカ・ヴィトン」とは!? 日本人のブランド信仰に物申す異色のアーティストがヤバイ!

大塚聰さん

 昨年2月、新宿眼科画廊で行われた「バカート展3人展 in Tokyo」に奇妙なアート作品が展示されていた。工事現場の作業員が着ているような服に描かれていたのは、『X』や『L』といったルイ・ヴィトンもどきのマークだ。お守りのようなものある。「何じゃこりゃ??」。

 「ルイ・ヴィトンもどきの作品」、ここでは『ドカ・ヴィトン』としておこう。この作品を作ったのは、現代美術家の大塚聰さん(47歳)だ。“もう何だか良く分からない”ので話を聞いてみた。

「この作品の発案は、自分自身です。きっかけは、自分の勤め先の人が、自身の履く白足袋にマジックインキで『NIKE』のマークを描いたことにあります。以前、自分は、建築現場で仕事をしていました。彼は、的場浩司ソックリなイケメンだったのですが、高所作業中に転落死してしまって、もうこの世にはいないそうです……。そのときに『ルイ・ヴィトン足袋』というアイデアを思いついたんです!

 『ドカ・ヴィトン』は、会場内でもかなり目立っていた。その近くには、モニターがあり、大塚さんがこれを着てルイ・ヴィトンのショップに入っていく映像が映し出されていた。「???」。

「この服を着て店に入る意味は、日本人のブランド信仰に物申すものと解釈しても良いです。が、『ドッキリカメラみたいに純粋に楽しみたい』のが一番の理由です。特に深い理由はないんですね。『面白いアイデアを思いついた』、『実行に移した』、『皆が楽しんだ』、です。店側にとっては迷惑かも知れないので、ちょっと申し訳ない気持ちもありますけど……」

 『ドカ・ヴィトン』を着ている姿は、どこから見てもかなり目立つ。その容姿に驚いている通行人もいる。そんな格好で店に入って行ってしまうのだから、店員はしどろもどろだ……。

「作品の素材は、作業着店で売られているものです。ベストやニッカボッカ、ベルト、足袋。これにアクリル絵具と面相筆で描いています。下書きするときは、鉛筆と定規を使いました。『型紙を使えば?』とよく言われましたが、モノグラム柄の流れを綺麗に合わせるのが難しいんです。微調整をするためには、フリーハンドで描かないといけないんですね。ヘルメットは、市販されているものにステンシル絵具(オシャレな手作り看板などに用いる絵具)と面相筆で描いています。「お守り」は、ユザワヤで買った布と紐を使っています。このような形にしてからアクリル絵具で着色しました」

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