理解できなければ表現できない「明瞭性のパラドックス」とは!? 哲学者を悩ませる超重要命題、“落とし穴”からの抜け出し方を解説!
このように思考と感情をクリアに表現するのを邪魔するさまざまな“落とし穴”があるのだが、ではどうすればよいのか。
アルシャネツキー氏によれば、感度、柔軟性、注意力、ケアが必要であるという。表現のプロセスは思考によって制御されるが、同時に当人によって制御されている。
明瞭であろうとする態度には興味深い特徴があり、プロセスが進むと、それに熱中して意図的に実行しているように感じることができるという。それば言葉の一語一語を意図的に選んでいるという意味ではなく、内部検閲や制約によって妨げられていないという意味で意図的であるということだ。つまり湧き上がる言葉に制約を設けずに吐露できている状態なのだろう。
明瞭性へのこうした理解は、我々が理解できるばかりでなく、形式知を利用せずに自分の思考を表現する言葉を積極的に生み出す方法を示すことにより、明瞭性のパラドックスから抜け出す方法がもたらされるということだ。
我々が使う言葉は紋切り型で溢れかえっていて、我々はそれを無自覚に使っていたり、あたかも自分が導き出した知見であるかのように主張しているケースも多く見られる。こうした紋切り型や安直な感情表現には常に意識的であらねばならないのだろう。
参考:「Aeon」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊理解できなければ表現できない「明瞭性のパラドックス」とは!? 哲学者を悩ませる超重要命題、“落とし穴”からの抜け出し方を解説!のページです。仲田しんじ、表現、哲学、パラドックス、ソクラテス、ニーチェ、明瞭性、サルトルなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで