唾液を吸収する石、ぐにゃぐにゃのこんにゃく石…静岡にある超謎の館『奇石博物館』に村田らむが潜入!
展示で最初に来るのはやっぱり化石である。子供たちは大喜びだが、一番人気があったのが、獣糞の化石だった。ウンコが化石になったものだ。子供は恐竜が好きだが、それ以上にウンコやチンコが好きなので、キャッキャとはしゃいでいる。
個人的には、ヨハン・ベリンガーのニセ化石が展示してあって良かった。
世は18世紀、高圧的な教授ヨハン・ベリンガーにいたずらをしようと同僚が、ニセモノの化石を掘りあてさせた。鳥やカエルだけでなく月や太陽の化石も掘り当てて、それを本物だと信じてしまった。そして、本の出版までしてしまったところで、自分の名前の掘られた化石を見つけ、さすがにいたずらだと気づいた……という歴史上最もマヌケな事件の石である。
でも本物は、すごく貴重なはずだけどな? と思ってよく見てみると、
『奇石博物館が模倣し、作成したもの』
と但し書きが書いてあった。つまり、ニセモノの化石の、ニセモノということだ。なかなかメタな感じである。
化石コーナーを過ぎた後は、本格的に奇石が展示されている。石を切断しただけなのだが、まるで風景のように見える石や、まるで豚肉にしか見えない『猪肉石』など。なかなか渋い。そう言えば台湾の国立故宮博物院に所蔵してあるお宝に、豚の角煮そっくりの石と、白菜そっくりの石があった。それらは、彫刻したり、染色したりして、本物に寄せていたけど猪肉石はただスライスしただけなのに豚肉にしか見えない。韓国料理のサムギョプサルにそっくりだ。新大久保の韓国料理店に展示して欲しい。
つばつけ石は、ベロで舐めると、スポンジが水を吸い取るように唾液を吸収して、舌に引っつく。わざわざスタッフがつばつけ石をなめて、舌に引っつけている写真を添えている。
ただ子どもたちのテンションは低めだ。たしかにやや地味である。
そこをすぎるとまた子どもたちが喜ぶコーナーがあった。漫画やアニメに出てくる石を並べている。『ドクターストーン』『ワンピース』『セーラームーン』『天空の城ラピュタ』と老若男女が好きな作品が並んでいる。
その先には光る石だけを展示してあるコーナーがあった。暗い室内を作ってその中に光る石が展示してある。光る石を星に見立てて、列車が走っているジオラマも作ってあった。
全体的に手作り感が溢れているが、どれも丁寧に作り込まれていて嫌な感じはしなかった。石や化石のコレクションをただ見たいだけなら、上野公園の国立科学博物館に行ったほうが良いが、だが奇石博物館ならではの楽しめる展示があってとても良かった。
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2024.10.02 20:00心霊唾液を吸収する石、ぐにゃぐにゃのこんにゃく石…静岡にある超謎の館『奇石博物館』に村田らむが潜入!のページです。静岡県、奇石博物館などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで