人間が生きたままブラックホールに入る方法が判明!

 その極めて強い重力のために、近づいたものは光ですら捕らえてしまうブラックホール。現在の天体物理学者らはブラックホールから非常に離れた安全な場所から観測を続けているが、いつかは人間が直接接近して調査をする日が来るだろう。一般に、ブラックホールに近づいた人間は即死すると考えられているが、実はある条件さえ整えば、人間が生きたままブラックホールに入れるかもしれないという。それは一体どんなものなのか、科学ニュースサイト「Science Alert」(2月3日付)が報じた。

There Is One Way Humans Could ‘Safely’ Enter a Black Hole, Physicists Say (Science Alert)

人間が生きたままブラックホールに入る方法の画像1
画像は「Science Alert」より引用


 ブラックホールと一口に言っても、大きさや回転の有無など、その種類は非常に多様なのだという。今回の議論に関係するのはそのうち二種類だ。一つは回転せず、正または負に帯電していいない、太陽くらいの質量を持つブラックホール。そしてもう一つは、太陽の数百万倍から数十億倍に達するような超巨大質量のブラックホールだ。

 この二種類のブラックホールの大きな違いは、その質量のほか、中心から事象の地平面までの距離にある。事象の地平面とはそこから先に進んだら光すらも戻れなくなる境界面のことで、ここを通り過ぎたものはブラックホールの重力に囚われてしまい、外側から観測することはできなくなる。

 その中心から事象の地平面までの距離はブラックホールの質量に依存するため、太陽くらいの質量を持つブラックホールの場合、その距離は3.2キロほどになる。このようなブラックホールの事象の地平面を人間が超えたとする。中心からの距離が近いということは重力も非常に強いことを意味し、その人が足からブラックホールに落下しているとすると、その体の各部に受ける引力は足から遠いほど指数関数的に増加し、頭部に受ける力は足先の10億倍も強くなる。そのため、この人は一瞬で麺のように細長く引き延ばされてしまうだろう。

人間が生きたままブラックホールに入る方法の画像2
画像は「Science Alert」より引用


 一方、超巨大質量のブラックホールの場合、中心から事象の地平面までの距離が長いため、中に入り込んだ人間の足元と頭部でかかる引力にはほとんど差がない。そのため、こちらではスパゲッティのようになってしまうことはない。

 重力以外にも、ブラックホールには様々な危険がある。多くのブラックホールは非常に高温の円盤に囲まれており、事象の地平面の内側も吸い込まれたガス、星の残骸、塵などで満ちている可能性が高い。そのため、もし人間が事象の地平面を越えようと思うのなら、超巨大質量を持ち、周囲から隔絶し、ガスや星などを侵食していないブラックホールを探さなければならない。

人間が生きたままブラックホールに入る方法の画像3
画像は「Getty Images」より引用


 ただ、ブラックホールに生きたまま人間を送り込んだとして、問題が一つ。勇気ある調査員は生存する限りその内部を探索し続けることができるが、光すら脱出できない事象の地平面の内側から外側に、記録や情報を送信することはできないのである。つまり結局のところ、外側にいる人間はその内部のことを一切知ることはできないのだ。

 知りたければ中に飛び込むしかないが、飛び込んだら最後、外には決して出られない——。ブラックホールは人類にとって、最後であり永遠のフロンティアとしてあり続けるのだろう。

参考:「Science Alert」ほか

編集部

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