ゴミ屋敷で暮らした「汚部屋女子の東大生」が超壮絶な部屋&勉強方法を完全暴露インタビュー! 「家に水平がなかった」

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汚部屋そだちの東大生』(ぶんか社)

 部屋の写真を見せてもらい、爆笑してしまった。文字通りのゴミ屋敷である。ここから東大へ?

 ハミ山クリニカさんは東大出身で、しかも理系だ。東大出身者で理系ではあるが、実は東京芸大を中退したぐらい絵も上手いので、副業としてマンガも描く。

 そんな彼女の新刊が3月10日に発売される『汚部屋そだちの東大生』(ぶんか社)だ。心を病んだ母との生活を半自伝的に描いた、痛みの物語。

■ゴミ屋敷から東大へ

 最初に会った時、私は彼女の生い立ちを知らなかった。彼女が家を出て一人暮らしを始めた時に初めて机を買って、

「平らなところが家にあるんですよ! それまで家の中に水平がなかったですからね。全部、斜めでしたから」

と机を撫でまわしたという話に爆笑はしたものの、それが何を意味しているのかわからなかったのだ。

 東大出身者は頭がいい。クイズ番組で全戦全勝だし、クイズ番組のクイズも作ってしまうし、大きな会社ほど東大出身者が多い。頭の良さにもいろいろあるのだろうが、誰もが認める安定した頭の良さが東大にはある。

 しかし、ハミ山さんは東大出身者のイメージを完全にぶち破っている。一般的に東大出身と聞いて思い浮かぶイメージは、家庭環境に恵まれ、親が医者や大企業の幹部や官僚で金回りが良く、塾や家庭教師に相応の投資を行い、本人もがんばって勉強して合格した、という感じだろうか。多少のずれはあっても、いずれにしろ勉強の環境は守られていた人たち。

 ところがハミ山さんは家の中がめちゃくちゃなゴミ屋敷で、机どころか平ら面がないとか、ゴミ屋敷過ぎて暖房が使えず、地下鉄のホームで勉強したとか、それで東大に一発合格って、マンガのネタにしたって非現実的すぎる。

■東京のマンションでサバイバル生活

「海外ではホーダーというそうですが、母がため込み癖のある人だったんです」

 ハミ山さんはお母さんと2人暮らし。小学生までは明るくてやさしいお母さんだったが、ハミ山さんが中学生になる頃から、モノが捨てられなくなってくる。モノが捨てられない状態が何年も続くとどうなるか。

「娯楽がないわけですよ。テレビないし。あるんですけど、小学生ぐらいの時に画面が全部青くなって壊れて、その後に地デジ化した使えないテレビが鎮座してる」

 粗大ごみが家の中にそのまま増えていく、それがハミ山さん家。どういう状況だったかというと、床がない。布団はあるけども平らな場所がない。無理やり布団のスぺ—スを作り、凸凹なので間にタオルを詰める。

当時、ハミ山さんが暮らしていた部屋。足の踏み場がないというか床がない。

「へこんだところの地層がどんどん高くなっていくんですよ」

 なるほど、ゴミの層を地層というのか。ちなみにどのくらい? 30センチ? もっと?

「1メートルぐらいだと思います。場所によりますけど。床を見たことがない」

 どうやって生活していたんだ。お風呂は? 銭湯?

「お風呂の栓がすり減ってお湯が貯まらくなって、中学ぐらいの時にお湯も出なくなって。修理の人は呼べないし、物置きに」

 まさかと思うがトイレは?

「トイレも水が溜まらなくなったので、バケツで水をジャーとタンクに入れて流す。停電の時の知恵ですね」

 すごいな、サバイバルですね。

「社会人になって出張に行くじゃないですか。ホテルに泊まるのが楽しくてしょうがない。平らだし、シャワー出るし、トイレ流れるし。文明がある、ここに!って」

 文明がある!? あんたはサイパンの残留兵か。

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